第9話 最弱ダンジョンの奥で


最深部。


少し広い空間に、

一回り大きな影がいた。


ゴブリンの上位種。


鑑定が走る。


《ゴブリンファイター

レベル6

筋力:中

耐久:中》


「ここが限界か」


次郎は呼吸を整える。


身体強化を、

さらに重ねる。


脚力、上昇。

反射、上昇。


魔物が突進する。


次郎は真正面から

受け止めない。


半身でかわし、

剣を腹部へ滑り込ませる。


硬い。


だが、

力任せに押し切らない。


角度を変え、

関節を斬る。


呻き声。


最後は喉。


魔物は倒れ、

霧となって消えた。


次郎は剣を下ろす。


「最弱、

とは言えないな」


だが確信した。


ここなら、

自分は強くなれる。


レベル1でもいい。

勇者でなくてもいい。


剣士として、

積み上げればいい。


老剣士は

ダンジョンを後にした。


この先に、

無双の道があると

まだ誰も知らない。

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