第3話 老剣士の直感


城を離れ、

舗装されていない街道に出る。


空は高く、

雲の流れは穏やかだった。


「歩くしかないな」


次郎は苦笑する。


その時、

視界の端に文字が浮かんだ。


《スキル:鑑定》


次郎は瞬きをする。


再び文字が浮かぶ。


《スキル:身体強化

ステータスをランダムに上昇

重ね掛け可能》


「……なるほど」


鑑定。

対象の能力を確認できる技能。


身体強化。

肉体能力を底上げする力。


しかも、

重ね掛け可能。


次郎は剣の柄を握った。


「勇者向きじゃないが、

剣士向きだ」


それだけで十分だった。


若さはない。

だが経験がある。


恐れを知り、

引き際を知っている。


「勇者でなくてもいい」


次郎は歩き出す。


「俺は剣士だ」


遠くに、

街らしき影が見えた。


冒険者としての人生が、

ここから始まる。

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