『お前を離すつもりはない――薬草師の娘は、冷徹王子の溺愛から逃げられない』

春秋花壇

『お前を離すつもりはない――薬草師の娘は、冷徹王子の溺愛から逃げられない』

束縛は、甘い毒のように

深い森の奥 隠したはずの指先に 光り輝く王冠の影が 音もなく忍び寄る


冷え切ったその瞳が 私を映した瞬間 氷は溶け出し 逃げ場のない熱に変わった


「お前は、僕の薬だ」


差し出された手を取れば もう戻れない 泥にまみれた薬草師の娘を 金色の檻で包み込む 傲慢な愛


誰にも見せない 剥き出しの執着 耳元で囁かれる 狂おしいほどの独白


「どこへも行くな。お前の自由ごと、私が買い取ろう」


身分差の壁を 情熱が焼き尽くし 拒絶の言葉は 甘い口づけに溶けていく


私はただの平民で あなたは気高い王子様 けれど今夜も あなたの腕の中 逃げられない幸せに 私はゆっくりと溺れていく


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