第8話 巨影の試練
迷宮の奥は闇が濃く、岩壁から冷たい風が吹く。
アリスは小さな手で剣を握り、慎重に足を踏み出す。
「深くなるほど……油断は禁物」
心を落ち着け、光る紋章を目印に進む。
通路の先に、巨大な影が立ちはだかる。
全身を黒い鱗で覆った竜型の魔物だ。
翼を広げ、巨大な爪で床を砕く。
炎と雷を混ぜた攻撃を放つ気配が漂う。
アリスはすぐに転移を判断する。
「転移!」十メートル跳び、爪をかわす。
魔物の翼が空気を巻き上げ、石片が飛ぶ。
再び転移で背後に回り、斬撃を入れる。
戦闘は立体的になる。床だけでなく、壁や梁を
使って跳び回る必要がある。アリスは跳び、斬り、
再び転移――空間全体を利用した戦術で挑む。
小さな身体が光の軌跡を描き、魔物を翻弄する。
魔物は爪や尾を振り、炎のブレスを吐く。
アリスは転移で間合いを取りつつ、攻撃の隙を見極める。
跳び、斬り、再び転移――連続の動作が自然になる。
レベル8で培った技術が、さらに研ぎ澄まされる瞬間だ。
魔物が空中に飛び上がり、背後から攻撃を仕掛ける。
アリスは瞬時に階層を上下に転移し、反撃の隙を作る。
剣士レベル9に上がると、転移の距離と精度が向上し、
戦術の幅が広がったことを身体で感じる。
魔物の動きを読み、炎のブレスの軌道、尾の範囲、翼の振動、
すべてを予測して動く。アリスの小さな身体は迷宮の暗闇で光る。
跳び、斬り、転移――連続の動作で魔物の隙を作る。
剣の一振りで魔物の攻撃を封じ、戦いのリズムを崩す。
連続攻撃の末、ついに魔物は床に崩れ落ちた。
アリスは息を整え、剣を握りしめる。
剣士レベル9は完全に定着し、戦術と動きが一体化した。
転移での上下移動も自在になり、立体的戦闘を制する。
部屋の奥には光る石碑があり、手を触れると
魔力が身体を駆け巡る。攻撃力、防御力、転移精度――
すべてが向上し、次の階層への道が開かれる。
迷宮での経験が力となり、確かな自信をもたらした。
部屋の隅に宝箱があり、古い巻物と魔力の結晶が入っている。
巻物には大型魔物との立体戦闘の戦術が書かれており、
アリスは目を輝かせ、次の階層への準備を整える。
迷宮の深層は危険だが、力を信じて進むしかない。
通路を進むごとに、闇と風、罠と魔物が絡み合う。
だが、剣士レベル9のアリスは恐れを知らない。
剣と転移、そして勇気を胸に、
小さな少女の冒険はさらに深く続いていく。
「私は……絶対に負けない」
迷宮の深淵に響く小さな声は光となり、
成長した力、研ぎ澄まされた感覚、
すべてが次の試練への糧となるのだ。
巨影の階層を越えた先に、新たな試練が待つ。
アリスは小さな身体で、確かな意志を胸に、
次の戦いに向けて一歩踏み出す。
冒険はまだ、終わってはいないのだから。
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