第6話 深淵の試練
迷宮の奥は闇が濃く、空気がひんやりと冷たい。
アリスは小さな手で剣を握り、慎重に足を踏み出す。
「深くなるほど……油断できない」
心を落ち着け、足元の光る魔法陣を確かめる。
前方に黒い影が動く。
二体の鎧を纏った魔物が並び、迫り来る。
一体は剣を振り回し、一体は魔法を仕掛ける。
アリスは瞬時に判断し、転移で間合いを取った。
「転移!」十メートル跳び、斬撃を避ける。
魔物の剣が床に衝突し、火花が散る。
次の瞬間、アリスは斜め後方に転移し、
反撃の隙を作る。跳び、斬り、再び転移。
戦闘は立体的になる。階段を上り、壁に沿い、
天井の梁を利用して跳び回る。
アリスの小さな身体が迷宮の暗闇を舞い、
影の魔物は翻弄され、攻撃のリズムを崩す。
連続戦闘の中で、アリスは剣士レベル7に到達した。
剣の扱いは精密さを増し、攻撃速度も上がる。
防御と回避が自然に連携し、複数の敵に対応可能。
転移は階層内で自由に1階層上下もできるようになった。
次の部屋には、火と雷の混合魔法を操る魔物が待つ。
空間に炎の壁と電撃の柱を作り、動きを封じる。
アリスは転移で炎と雷の間を縫うように動き、
一瞬の隙を突いて斬撃を放つ。
跳び、斬り、再び転移――連続の動作で
魔物の魔法を避けつつ、攻撃を重ねる。
戦いの合間、床の罠や天井からの落石も注意し、
全方位に気を配る。小さな身体に秘めた力が輝く。
魔物の動きの法則を見極めると、アリスは
一度の転移で背後に回り込み、斬撃を連続で入れる。
炎と雷がぶつかり合う中で、アリスの剣が光る。
魔物は呻き、迷宮の奥に倒れた。
戦闘後、アリスは深く息をつき、剣を握りしめる。
迷宮の奥に光る石碑が現れ、手を触れると
魔力が身体を駆け巡り、感覚が研ぎ澄まされる。
剣士レベル7の力が確かに身についた瞬間だ。
部屋の隅には小さな宝箱。中には古い巻物と
魔力を増幅する結晶が入っている。
巻物には連続戦闘や立体的戦闘での転移応用法が
記されており、アリスは目を輝かせた。
階層を上るごとに、試練は苛烈になる。
だが、剣士レベル7のアリスは恐れを知らない。
剣と転移、そして勇気を胸に、
小さな少女の冒険はさらに深く続く。
「私は……負けない」
迷宮の深淵に響く小さな声は光となり、
成長した力、研ぎ澄まされた感覚、
すべてが次の試練への糧となる。
深淵の階層を抜けた先に、新たな敵が待つ。
アリスは小さな身体で、確かな意志を胸に、
次の戦いに向けて一歩踏み出す。
冒険はまだ、始まったばかりだから。
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