第2話 炎と影の試練
迷宮の奥へ進むと、空気はますます重くなる。
アリスは小さな手で剣を握り、足音を確かめた。
「気を抜かない……」心の中でつぶやく。
彼女の呼吸は静かだが、緊張で胸は高鳴る。
前方の通路に、赤い瞳が光った。
影のように素早い魔物――幻影ゴブリンだ。
壁を蹴るように飛び、瞬間移動で襲いかかる。
アリスは反射的に「転移!」と叫び、十メートル後方へ。
ゴブリンは追撃のタイミングを失い、空振りした。
アリスは冷静に距離を測り、再び斬撃を放つ。
剣がかすめる音と、魔物の呻き声が響く。
転移と剣の連携で、戦いは短時間で決着した。
「ふぅ……やっぱり集中しないと」
汗を拭いながら、アリスは次の通路に進む。
壁には古い魔法陣が刻まれ、薄く光っている。
触れると、微かに振動が伝わり、魔力を感じた。
その時、足元が急に揺れる。
床が崩れ、アリスは階下へ落下する。
だが恐怖はない。「転移!」一瞬で十メートル先に跳んだ。
転移を使い、危険を回避する感覚は少しずつ体に馴染む。
下の階層には巨大な火の魔物が立ちはだかる。
炎を吐き、足元の岩を焼き尽くす。
アリスは剣を握り、素早く距離を測る。
「転移!」床を滑るように跳び、背後へ回り込む。
魔物の炎を避けながら、剣を振る。
鋭い斬撃が魔物の鎧に食い込み、煙が上がった。
再び炎が迫る。アリスは冷静に、連続で転移。
跳び、避け、斬る――まるで光の舞のようだ。
戦闘が続く中で、アリスの身体に変化が現れる。
剣士レベルが3に上がり、剣の動きが滑らかになる。
攻撃の速度も正確さも増し、魔物の動きを
先読みできるようになった。転移もさらに自在だ。
戦いを終えると、アリスは疲れを感じつつも
達成感に包まれる。小さな手で剣を握りしめ、
「これならもっと強くなれる」そう心に誓った。
階段を上ると、次の部屋には罠が仕掛けられていた。
矢が天井から落ちる。床には隠し刃が伸びる。
アリスは瞬時に判断し、転移で一つひとつ回避する。
跳び、斬り、避ける動作が、次第に自然になっていく。
奥の通路で、光を放つ石碑を見つける。
触れると、魔力が流れ込み、剣士としての感覚が研ぎ澄まされる。
レベルアップの喜びと、次の試練への緊張が混ざる。
さらに奥に進むと、影の戦士型の魔物が二体待ち構えていた。
一体は前衛、一体は後方から弓で攻撃してくる。
アリスは転移を駆使し、矢を避けながら前衛を斬る。
跳び、斬り、再び転移――連続の動きで敵を翻弄する。
二体目を倒した時、アリスの剣士レベル3は完全に定着する。
攻撃の正確性、転移のタイミング、戦術の組み立て、
すべてが自然に身につき、迷宮での戦闘力は格段に上がった。
部屋の隅に小さな宝箱を見つける。
中には古い巻物と、補助魔法の水晶が入っていた。
巻物には転移スキルを効率よく上げる方法が書かれている。
アリスは目を輝かせ、次の階層への準備を整える。
「まだまだ……負けない」小さな声が迷宮に響く。
初めての連続戦闘で自信を得たアリスは、
次の階層へと歩を進める。迷宮は深く、
試練は続くが、彼女の意志は揺るがなかった。
小さな剣士は、戦いの中で確かに強くなった。
剣と転移、そして勇気――すべてが武器だ。
迷宮の闇に光を灯す少女の冒険は、
まだ始まったばかりなのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます