第3話 摩天楼の守護者


夜の都市の摩天楼。光が反射する高層ビルの谷間に

異様な空気が漂っていた。鳴海悠斗は仲間と共に

ギルドの指示で調査を開始する。

「ここがダンジョンか……」悠斗は息を飲んだ。

摩天楼の壁に青白い光が走り、巨大な魔法陣が浮かぶ。


「上空からも警戒しろ」白川の冷静な声。

悠斗は頷き、炎の魔法で足元を照らす。

紗月は双眼鏡を手に、魔物の位置を報告する。

「悠斗、右上に飛行型が三体!」

「了解、雷魔法でまとめて攻撃する!」


空中を飛ぶ魔物は、翼に雷を帯びた鳥型だ。

掌から放たれた雷光が空を裂き、敵を追い詰める。

だが一体が悠斗に向かって急降下。

「くっ!」悠斗は炎で迎撃するが、速度が速い。


紗月は無線でサポートする。

「悠斗、左からも来る!氷で迎撃して!」

悠斗は氷の刃を生成し、飛行魔物を切り裂く。

二種類の魔法を同時に使うのは初めてだが、感覚が掴めてきた。

「これが……魔法の連携か」胸が熱くなる。


摩天楼内部に入ると、広大な空間が広がる。

床はガラス張り、下には街の灯が点在する。

高所恐怖症なら腰を抜かすような場所だ。

「気を抜くな……罠も多い」白川が警告する。


階段を進むと、魔法陣が床全体に広がる。

触れると光と雷が同時に放たれる仕組みだ。

悠斗は炎と氷を使い、光の経路を遮りながら進む。

紗月は安全なルートを誘導し、無線で指示を送る。


最上階にたどり着くと、巨大な守護者が待っていた。

翼に黒い雷光をまとい、全身は硬い鱗で覆われている。

「これが摩天楼の守護者……!」悠斗は息を呑む。

白川が指示する。

「チーム戦だ。悠斗は正面、紗月は支援、俺は側面から」


戦闘が始まる。守護者は飛行し、雷を放ちながら悠斗を狙う。

悠斗は掌から炎を噴き出し、氷で防御しつつ反撃する。

紗月は魔法陣を解析し、支援魔法で攻撃を誘導する。

「悠斗、雷をもう一度!今度は角度を変えて!」

「了解!」掌から放たれた稲妻が守護者の翼をかすめる。


守護者は怒り、雷と衝撃波で反撃。悠斗は宙に飛び上がり、

氷と炎で攻撃を交互に繰り出す。初めての高難度チーム戦だ。

白川が冷静に指示を飛ばし、悠斗はそれに従う。

光と雷、炎と氷が交錯する空中戦は壮絶そのものだった。


ついに守護者の翼を縛る隙が生まれた。

「今だ、闇鎖!」悠斗は最後の力を込めて闇魔法を発動。

黒い鎖が翼を縛り上げ、守護者は地面に墜ちた。

街の灯に反射して、黒鎖が光と影を織り成す。


勝利の余韻の中、悠斗は息を整えた。

「やった……初めてのチーム戦、成功だ」

白川が軽く頷く。

「魔法の連携も理解できてきたな。成長している」

紗月も笑顔で近づく。

「悠斗、すごいよ。頼もしい!」


摩天楼ダンジョンは消え、夜の都市に静けさが戻る。

だが悠斗の心には、新たな課題が刻まれていた。

「次はもっと難しい敵……もっと魔法を使いこなす」

都市の迷宮は無限に広がる。

現代に魔法が知られていない世界で、悠斗の戦いは続く。

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