第2話 地下鉄ダンジョンの罠


夕暮れを過ぎ、都市の地下に異変が起きた。

鳴海悠斗はギルドからの依頼を受け、地下鉄駅に向かう。

「ここか……」薄暗い駅構内は、普段の雰囲気とは違った。

壁や床に青白い光がちらつき、何かが潜んでいる気配。


「悠斗、油断するな。地下は罠だらけだ」

冷静な声に振り返ると、白川透が険しい表情で立っていた。

「うん……わかってる」悠斗は息を整え、手の炎を消す。

だが、胸の奥は高鳴っていた。魔法を操れる喜びが、恐怖より勝っていた。


足元の線路が光り、電流が走る。

「くっ……!」悠斗はジャンプで避ける。

壁から雷の弾丸が飛び出し、電気系魔物が姿を現す。

小型だが鋭い爪を持ち、電撃を纏った怪物だ。


「まずは観察だ」白川が指示する。

悠斗は掌を握り、雷魔法を試す。

「天より轟け、雷神の一撃!」

稲妻のような光が掌から伸び、敵を麻痺させる。

初めての雷魔法の手応えに、心が熱くなる。


だがダンジョンは甘くない。

天井から氷の柱が落ち、床は雷が走る迷路のようになった。

「氷と雷が同時に来る……!?」悠斗は焦る。

「落ち着け、順番に対処するんだ」白川の声が響く。

悠斗は氷の刃を放ち、柱を砕きながら進む。


通路の奥に魔法陣が浮かび上がる。

光の輪が床に描かれ、触れると全身に電撃が走る仕組みだ。

「罠だ……!」悠斗は瞬時に判断し、ジャンプで回避。

白川は悠斗の横で冷静に分析する。

「周囲の魔法陣のパターンを覚えろ。それを応用できれば攻撃にも使える」


悠斗は深呼吸して集中した。

掌に炎を帯び、氷の刃を組み合わせ、罠の間をすり抜ける。

初めての高度な魔法操作に緊張と興奮が交錯する。

「よし……できた!」息を吐きながら、彼は達成感を味わった。


奥の広間に入ると、大型の電気系魔物が待ち構えていた。

「くそ……上位だ」白川の眉がひそめられる。

翼を広げ、雷光をまとった怪物は悠斗を睨む。

「やるしかない……!」悠斗は力を込め、炎と雷を同時に放った。

魔物は光を避けつつ反撃。電撃の柱が辺りに走る。


悠斗は宙を舞い、魔法の軌道を読みながら攻撃を続ける。

雷で足を止め、炎で追撃。氷の刃で防御の隙間を突く。

魔物は力強くも徐々に追い詰められ、怒号を上げた。

「今だ、闇鎖!」悠斗は最後の一撃に闇魔法を使う。


闇の鎖が魔物を縛り上げ、動きを封じる。

「やった……!」悠斗の胸は達成感で満たされた。

白川が頷き、悠斗を称える。

「初めての複雑なダンジョンでここまでできれば上出来だ」


悠斗は汗を拭いながら微笑む。

「もっと……強くなれる気がする」

ギルドに戻ると、紗月が待っていた。

「悠斗、大丈夫?無理してない?」

「うん、でも面白かった」悠斗は拳を握る。


地下鉄ダンジョンは消え、日常の駅に戻る。

だが悠斗の心には、新たな決意が刻まれていた。

魔法の力を完全に使いこなし、この都市を守る。

次のダンジョン、次の試練……彼の戦いは続く。

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