第11話 カレーライスの少年
年末の土曜日
智也は、いつものように昼過ぎに古川雑貨店に来た。
「婆ちゃん!書道に来たよ!」と店のガラス戸を開け座敷に上がった。
すると、そこには、〝カレーライス〟を独り黙々と食べる少年がいた。
「君、誰?」と少年に聞くと、
「君、誰?」と帰ってくる。
「僕は、智也!」と智也が名乗ると、少年は、
「僕は、
「ふ〜ん、オサムくん、何歳?」と智也が聞くと
「6歳、幼稚園の年長!」と帰ってきた。
「ともや君は?」とオサムに聞かれる。
「僕、4歳!来年、幼稚園!」と智也が言うと、
「じゃあ、僕の方が先輩だ!」とオサムは言った。
「ここで、何してるの?」と智也が聞くと
「カレーライス食べてる」とオサムは答える。
「婆ちゃんは?」と智也が聞くと、
「婆ちゃん、爺ちゃんと出かけた、ここで、カレーライス食べてろ、言われたから」とオサムはカレーライスを頬張る。
「カレーライス美味しい?」と智也は物欲しそうに聞いた。
「美味しいよ!食べる?」とオサムが聞くと、
「食べる!」と智也は喜んだ。
「スプーン持ってきなよ」とオサムは言う。
「うん!」と言って台所へ向かった。
スプーンを持って来ると、ちゃぶ台のオサムの
反対側に座り、「食べていいの?」と智也は確認する。
「食べなよ」とオサムは言った。
智也は、カレーライスを一口食べた
「美味しい!誰が作ったの?」と智也が聞くと、
「父ちゃん!」とオサムは言う。
「父ちゃん!オサム君のお父さんカレーライス作れるの?凄い!」と智也は驚いた!
「智也くんお父さんはカレーライス作れないの?
」とオサムが聞く。
「ウチ、お父さんいないから‥」と智也は答えた。
「悪い事聞いたね」とオサムは言ってカレーライスをまた、食べた。
「お母さんは?」とオサムが聞くと、
「お母さんはいるよ!」と智也は答える。
「お母さんって美人?」とオサムは聞く。
「美人?どうかな?毎日みてるからわからないや!」と智也は答えた。
「誰に似てる?山本リンダ?」とオサムが聞くと、
「山本リンダには似てないかな〜、どっちかって言うと、山口百恵かな?」と智也が答えると
「山口百恵⁈すげぇ!」とオサムはビックリした。
「髪型がね」と智也は答えた。
「髪型ね」とオサムは言って黙々とカレーライスを食べ出した。
智也も反対側から、カレーライスを食べる。
「お父さんって他に何作れるの?」と、智也が聞くと、
「タンメン」とオサムは答える。
「タンメンって何?」と智也が再び聞くとと、
「タンメンはタンメンだよ!」とオサムは答える。
「タンメンって何が入ってるの?」と智也が聞くとオサムは、
「白菜とか、にんじんとか、豚肉とか‥あと麺」
とオサムは答えた。
「麺って何?」と智也が聞くと
「麺は、麺だよ!麺しらない?」とオサムは言う
「麺‥わからない‥麺ってどういう字?」と聞いて、鉛筆と紙を智也は、持って来た。
「麺はねえ‥」と麺という漢字を書こうとした。
オサムは何回か試すが書けなかった。
「書けないや!」と諦めた所に婆ちゃんが帰って来た。
『麺っどういう字?』と二人は婆ちゃんに聞いた。
婆ちゃんは、「この子は、隣の〝土田食堂〟
の修くんじゃよ!」と智也に紹介した。
智也は、「オサムくん!遊ぼう!」と誘ったが、
オサムは、「お皿洗いしなきゃ、遊んじゃだめなんだ‥」と少し寂しそうだった。
婆ちゃんは、「修は偉いのう!智也!お前も書道に行っておいで!」と言った。
智也は、オサムと後で野球を庭でやる約束をして、その場は、別れた。
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