ESCAPE OF THE DREAM BACKPOOLS
山ワサビドレッシング
POOLROOMS
温かい乾燥した空気の中、
目が覚めた。
「此処は何処かしら…。」
此処は何処?見渡してみた限り水、水、水。のこの空間。
見覚えがある。
辺り一面に広がる複数の大きめな角ばっている穴に
大量の水が入っている様はプールと呼ばれる空間に酷似していた。
取り敢えず此処が何処かが知りたい。
先ず、辺りを散策して何か手懸りとなる物を探さないと。
その前に駄目元で
「誰か居ませんかー?」
と叫んでみた。が、察した通りだった。
所々に浮かぶ浮輪や鶩(アヒル)の
玩具の無機質さに少し物悲しさを覚えるわね。
こんなにもプールに囲まれているので少し入ってみたいわ。
でも、水じゃなかったらどうしよう?
それに、入ってる場合なのかしら?
...........止めとこう。
そんな事を考えつつ遠くを眺めていたら、
手懸りとなりそうな[人影]らしき物を発見。
倒れている様に見えたので、慌てて近付いた。
「大丈夫ですか!?」
やはり人で、見覚えのある顔をしていた。
見覚えのある人物の正体は同じ高校に通う一つ上の先輩。
{磯島涼弥先輩}だった。
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{磯島涼弥先輩ってどんな人?}
優しくて気遣い上手なうえ、ギャグセンスがとても高い先輩。
少々短気な一面ある為、近付き難(にく)く感じるが、
仲間思いのとっても素敵な先輩。
誰もが憧れる.....訳でもないが、(私はとても尊敬している。)
とっても頼れる兄貴肌のとても格好良い先輩。
人を呼ぶ時は大概「おみゃ-。」と呼ぶ。
絵を描くのが好きな私、
私の絵を自分が描く絵より上手いという理由で、
[師匠。]と呼んで下さって、親しみを持ってくれている。
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先輩の右手には何故か女物の水着が握られていた。
???
嫌な予感が......。
時々下ネタを言っているのを耳にするが、
こんな犯罪擬(まが)いの行為をする人じゃない筈......。
それよりも........今は介抱の方が大事......よね?
取り敢えず再び声掛し、体を揺すった。すると....。
「う..う...ん....?此処、何処...?」
やっと先輩が起きた。
「あぁ...やっと目を覚ましてくれまたね、先輩。良かった.......。」
「........あら?麗鳳さん?どうしてこんなとk....?!」
目覚めたと思えば、突然喋るのを止め、
目を丸くして動かなくなってしまった。
「あの....?どうしましたか?」
「いや、え、ちょ、んえ?え?んで裸なんだ!?服は??」
え.....?
体を確認する。
確かに服を着ていなかった。
慌てて自分の掌や腕で局部をかくす。
[変態]と先輩を疑っていた自分が変態だった。(ゴメンナs(ry
「取り敢えずこれ着て。」
「これは何処で?」
「ノーコメントって訳には
いかんよな...ハァ...。」
「気になる事があるので、幾つか質問させて下さい。」
「分った。いくらでもどーぞ。」
{1}「Q.改めて右手のソレは?/A.女子更衣室で拾って......あっ.....。」
{2}「Q.この場所が何なのか分りますか?/A.僕が知りたい。」
{3}「Q.先輩は如何(どう)して此処に?A.僕が知りたい。」
{4}「Q.プールには入りましたか?A.入って無い。」
{5}「Q.何故女子更衣室に?A.目覚めた場所がそこ。」
{6}「Q.信じてもらえそうに無い発言だと気付いてますか?A.勿論...。」
使える物がないかと探していた[だけ]だそう。
そして、その時女子更衣室だって気付いたらしく、
それまでその事に気付いてなかったらしい。
信 じ ら れ な い 。
態(わざ)とらしく大きな溜息を吐く先輩に私は少し呆れた顔を見せた。
若干先輩の目が泳いでる様にも見え、少し気不味い空気に。
「...........フッ。アッハッハッハッハッハッハ!」
突然先輩が笑い出した。」
「どうしましたか?」
「いやー何、もっと真面目で控え目な娘だと思ってたのよ、僕。
でも以外にこんな剽軽な一面もあるんだなと思ってさ。」
「褒めてると捉えて良いのでしょうか?それ?」
「勿論。あ、でも、時々翳禽に誘われて先生に
金銭要求する振りをしてるところを見るな。」
「確かに巫袴ちゃんと偶(たま)に冗談でしますが.......。」
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{翳禽巫袴兎}
私の御友達で、良く遊ぶ子の一人。
ジョーク好きの少々変り者な娘。
良くジョークに付き合わされる事も........。
そこそこ目の悪い眼鏡っ娘。
パっと見イケメソ男子に見える。
(一応性別は美女。)
とても心優しい(美)女の子。
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「だろ?」
「はい....。」
「それはそうと、この空間が何かも分かって来たぞ。」
「それは本当ですか?!」
「おう。」
「あっち側って行ったか?」
そう言って指を差す先輩の指先を見てみると、
ドーム型の出入口があった。
あんな物があったとは......。
「その反応からして知らなそうだな、彼方(あっち)の部屋?には
マネキンやら彫刻やら彼方此方(あちらこちら)に置いてあんだよ。
しかも部屋の中は水浸しで全部水の中に沈んでるって訳。ヤバくね?」
「実際にあるのであれば、幻想的な場所に感じますね、
行ってみたい気持ちもありますが、
それよりも更に怖さを感じて来たので、早く此処を出て行きたいです。」
「そうだね。ここから僕の仮説になるんけど、
ここは元々[美術館]ではないかと思うんだよね。
そして、何らかの災害で水入って来て...ってな具合でさ。
恐らく僕の仮説に間違いは無いと思う。......多分。」
「それなら隣の施設がプールだった。の方が合点行く気が....。」
「あっ........確かにその可能性もあるな、そこまで考えてなかった。」
3/2程は名推理をしてくれるのに、
最後の最後でポンコツになってしまう。
<ある意味天才>の肩書を持つ人。
「いやでも、考えてみてよ。もし、此処が本当にプールだったとして、
プール特有の匂いがしないってのもおかしくないか?
プールには塩素というモンが入ってる訳だ。
ツーンと鼻に来る香がある筈じゃないか?」
「うぅん......確かにそれもそうですね......。」
んーどっちなんだろう.....。
「まぁ、そこは追々考えるとして、今は取り敢えず出口を探そっか?」
私は首を縦に振り、先輩の後を追った。
「どうでもいいんだけどさ、僕の右ポケット、鶩が無限に出て来るの。」
そういってポケットを引っ繰り返す先輩。すると......。
「ガアガアガアガアガアガア...........。」
抓(つま)んだら「ピープー」と音の出る鶩の玩具が沢山溢れ出て来た。
抓んでもないのに何故か鶩語でずっと喋っている、可愛い。
床一面に敷き詰められ始めた鶩の玩具は異質な光景だった。
鶩絨毯を楽しんでいる最中、何かを忘れている気がする事に気付く。
楽しんでいる場合じゃ無いと、本能が告げている。
でも、何かしら?全く出てこないわね。
大事な事じゃないと良いのだけど....。
この空間に来てからというものの記憶の記録が曖昧。
ここに居る理由も先輩の記憶も一部思い出せない。
(先輩も同じ状況なのかしら.......?)
「ところでさ、師匠。おみゃ-、どうやってぼkn.....この空間に入った?」
「分らないです。目が覚めた時には既にもうこの空間に居たので....。」
「ここに来る前は何処に居たかは覚えてる?」
「家で寝てました。」
???
先程から先輩の様子がオカシイ。
ここに来て欲しく無さそうな雰囲気を感じるわ。
一体何故?ここには何があるのかしら?何かを隠しているの?
普段の先輩からは考え付かない程の半畳(はんじょう)を入れている。
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{半畳を入れるってなぁに?}
半畳:人の言動等を非難したり、からかったりすることよ。
大根役者(下手な演技をする人)にも使われるわね。
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何かあるのかしら?
そして、その何かは聞いても平気なのかしら?
「どした?行こ?何かあったか?」
「へ?あぁぁ、は、はい......はぁあい」
「んで同様してんだよw
あ、ソコ滑るから
気を付kあぁぁぁぁaaa?!」
バッシャーン!!!!!!!!!
へ?な、何....何の音?
「冷たっ....。」
水が飛んで来た。
そして、突然視界から
先輩の姿が消えた。
あれ?先輩?!へ??
.......え?もしかして......。
「せんぱぁーい!!
どこですか?!
居るなら返事を.......。」
先輩を探していると
後ろから声がした。
振り返ってみるとそこには
半ベソ顔の先輩が居た。
「たすけてよぉ...........。」
「大丈夫ですか!?」
「うん。水着で良かった.....。」
「あ、水着だったんですね、それ........その水着は何処で?」
「えぁ?!nm(んむ)も、元々着てた。」
それは本当なのかしら
だとすれば何故、
先輩は元々水着を着ていて、私は裸だったのかしら?
そこの二つに関連性はあるのかしら?
プールには先程見た黄色一面の光景が再び広がっていた。
「んあ、アレは.....き、気にしないで。」
鶩を見詰めている事に気付いたらしく、慌てて弁明し始める先輩。
「そ、そだ、そうだ、落ちた序(つい)ででこんなモン拾ったんだよ。
そういって左ポッケから一枚の折畳まれた紙切れを出した。
「まだ中は見てない。
そう言いながら
先輩は紙を開き始めた。
[エンティティーにご注意を]
エンティティーってなんだろう?
「(............アレまだあんのかよ。」
「え?今何t.....」
「ジュース飲まね?」
先輩は私の話を
遮ってそう聞いてきた。
「それよりエンティティーとは
一体何ですk........」
「腹も減らないし、
喉も渇かないんだけどさ、
何か飲み食い
したくなるんだよねぇ。」
やはり先輩は何かを隠していると改めて確信した。
「ほら、ファ○ンタ。飲みな?」
「これは何処から?」
「.......そこの自販機。」
さっきまであんなトコに自販機なんかあったかしら?
「お金は?」
「........タダ。」
そんな訳無いと思いつつも、
押し切ろうとしてます感を出して
「散策を続けよう。」と、
強引に私の腕を引っ張る先輩。
少しよろけそうになりながらも、先輩の歩幅に合わせて歩く。
「ちょっと失礼。」
突然そう言って私の耳を塞ぎ始めた先輩。
何をしているのかしら?
約5分間もの時間その場から動かず私の耳を塞ぎ続けた先輩
何?何をしているの?
「良し、動いてOK!」
「何の意味があってこんな事を?」
「んんー?フフーッw、んぁでぇもぉなぁい。」
(いつも以上に変人過ぎますよ.....先輩。)
大きな欠伸(あくび)をする先輩。
何故かそれを見ていた私は急激に眠くなって来た。
「駄目だったか......。」
「え?それは......どう....いう.....こ........」
視界が霞んでゆく。
意識が遠のいて行くのがハッキリ分った。
「頑張って、一時間後にまた逢おう。」
先輩の声がぼんやりと聞える。
私の視界は完全に真っ暗になった
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