第14話 影の玉座に座る兄妹

その日は、特別なことのない一日だった。


 光の兄妹は学校へ行き、

 影の兄妹は報告を受け、

 王都は、何事もなく動いていた。


 夜。


 影の玉座の前で、兄が言う。


「今回の件で、確認できた」


「なにを?」


「この国は、まだ大丈夫だ」


 妹は微笑む。


「壊れかけてたけどね」


「でも、戻った」


 だから、彼らは動かない。


 玉座に座りながら、

 姿を見せず、

 名を残さず。


 光の中に立つ者を、

 影から支える。


 それが、

 王である兄妹の選んだ形。


 そして――

 この物語は、まだ続く。


 次は、

 影にいる理由が、

 少しだけ語られる。


 だが今は、まだ。


 影の玉座には、

 二人の子供が、静かに座っている。

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影の王座に座る兄妹 月夜 イクト @tukiyomiikuto

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