第10話 不思議な子だね

 彼女はやっぱり眠いみたいで、うとうとしてる。


ー船を漕ぐってこういう状態なんだなぁ。


 自分が答えたことを聞いているのか、聞いていないのか分からないけど、彼女は一旦、受け止めてくれたようだった。体を左右に動かして、自分の方に体を預けてくる。それと同時に、口も微かに動かしてる。


ーもにょ、もにょ?


 何を言っているかは分からないから同意ことなのかなぁ?って思い、彼女の方に耳を寄せる。

 すると、こう言ってた。


「上手くいかないのは当たり前。だって、今のあなたは、問題を解決できているあなたじゃないでしょ?問題を生み出しているあなたが今のあなた。だとしたら、その答えを出しているのは今の『あなた』。だから、答えが分かる方が変なの」


 相変わらず、眠そうにしている彼女だけれど、言っていることがあまり理解はできない。どういうことか、わからない。

 本当は不快な感情を抱いてもおかしくないのに、彼女に身を預けられていることに安堵している。


ーまだ話すのかな?

 

 そう思って、彼女の顔を上から見下ろすけど、寝ている。微かに寝息が聞こえ、動けないままでいる。


ーなんで、見ず知らずの女の子に自分の内側を話したのかな?


 付き合った彼女にすら見せなかった、自分の内面。自然とさらけ出してしまったのは彼女が真っ直ぐだからか、それとも、自分が弱っていたからか。

 自分の感情の上振れと下振れがあって眠いなぁ……。瞼の重みにあらがいながら、なんとか意識を手放さないように努力した。

 

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