【閲覧注意】フリマアプリで見つけた「絶対に買ってはいけない商品」の記録

ヒトリゴト

File.01:商品名「。」

普段、フリマアプリはよく使うほうだ。

断捨離で出た不用品を売ったり、絶版になった本を探したり。生活の一部と言ってもいい。

これは、つい先日、深夜に何気なくアプリを眺めていた時の話だ。

特に目的もなく、新着商品をスクロールしていた私の目に、奇妙な出品が飛び込んできた。


商品画像は真っ黒。

タイトルは「。」

価格は「¥ 3,000,000」

出品者の名前は「退会済み」

これだけなら、たまに見かける悪質ないたずら出品や、何かのテスト投稿だろうとスルーしていただろう。

しかし、なぜかその時の私は、そのページをタップしてしまった。

深夜のテンションだったのかもしれないし、何か虫の知らせのようなものがあったのかもしれない。

商品ページが開く。

説明文には、こう書かれていた。

> 【商品説明】

> ※購入しないでください。

> ※見つけたらすぐにページを閉じてください。

> ※これは「処分」のための出品です。

> 以下、記録。

> 2020年5月12日 拾得。公園のベンチにて。持ち主現れず。

> 2020年5月15日 最初の異変。深夜2時に着信音。通知はなし。

> 2020年5月18日 カメラロールに身に覚えのない写真が増え始める。すべて寝ている私の顔。

> 2020年5月20日 Siriが勝手に起動し、「見つけた」とだけ発言。

> 2020年5月25日 電源が切れなくなる。画面はずっと赤い砂嵐。

> 捨てることも、壊すこともできない。

> 「所有権」を誰かに移すしか方法がないと聞いた。

> 誰か、これらを引き受けてください。

> ただし、絶対に購入手続きはしないでください。

> 「いいね」をした時点で、契約は成立します。

>

……背筋が凍った。

典型的なネット怪談のコピペのようにも思える。

だが、私の指は震えていた。

なぜなら、この説明文を読んでいる最中、私のスマホの画面上部に出る通知バーが、一瞬だけ赤く点滅したように見えたからだ。

気のせいだ。疲れているんだ。

そう自分に言い聞かせ、急いでページを閉じようとした。

その時、私は見てしまった。


出品者の評価欄。

評価数は「0」。

だが、プロフィール画像のアイコンが、さっきまで見ていた真っ黒な画像ではなく、何かの部屋の隅を写したような、ひどく暗い写真に変わっていたのだ。

そして、商品の「いいね!」の数が、「0」から「1」に変わる瞬間を。

私は慌ててアプリをタスクキルし、念のためスマホの電源も落とした。

心臓のバクバクが止まらなかった。

翌朝、恐る恐るスマホの電源を入れ、アプリを確認した。

昨日の履歴から、あのアカウントを探そうとした。

しかし、商品は削除されており、出品者のアカウントも見つからなかった。

あれは一体なんだったのだろうか。

ただの悪ふざけだったのか、それとも……。

一つだけ確かなことは、あれ以来、私のスマホの充電の減りが異常に早くなったということだ。

そして、時折、通話中にノイズのような、くぐもった笑い声が混じるようになった気がする。

もし、あなたがフリマアプリで、説明のない奇妙な高額出品を見つけたとしても、絶対に興味本位で開いてはいけない。

特に、「いいね」ボタンには、絶対に触れてはいけない。

「契約」は、気づかないうちに完了しているのかもしれないのだから。

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