第70話 不死身の探偵

 邑楽の物流センターでの激闘の後、変美は一時的に息子の慎を追うことを諦め、戦略を練っていた。しかし、その夜、邑楽ベースが何者かの奇襲を受けた。

 ■ 奇襲:邑楽ベースの壊滅

​「……くっ! 地下から**『無臭の催眠ガス』**が……! 雲野、これは何!?」

​ 変美が異変に気づいた時には遅かった。新田一族が開発した、嗅覚を麻痺させる特殊なガスが、換気システムを通じてベース内に充満。五人衆は次々と意識を失い、変美もまた、強烈な吐き気と意識の混濁に襲われた。

​ そこに現れたのは、成長した慎と、その後ろで不気味に笑う新田輝の亡霊。

「……ごめんね、母さん。これも、僕らの新しい家族のためなんだ」

​ 慎が放った衝撃波が、変美の胸を直撃する。

「……ぐふっ……!」

​ 変美は吐血し、全身の感覚が急速に失われていく。

 彼女の鼻が最後に嗅ぎ取ったのは、**『自分の体内から溢れ出す、冷たい血の匂い』と、『新田の亡霊が持つ、あの黄金の座薬の甘いミントの香り』**だった。

 ■ 仮死と覚醒:死の淵からの帰還

​ 変美は息絶えた。心肺停止。全てのバイタルがゼロになった。

 しかし、その肉体は、長年にわたる過酷な戦いと、伝説の「黄金の座薬」に秘められた特殊な成分、そして何よりも**「愛する息子を守りたい」**という強靭な意志によって、奇妙な変容を遂げようとしていた。

​――「悪を葬るたびに、魂が肉体と結合し、不死の力を得る」――

​ それは、変美の父が追い求めていた、新田一族の「真の遺産」の一部だった。

 新田一族は、特定の条件下で「悪意ある存在」を滅ぼすたびに、肉体が強化され、不死に近い回復力を得るという、恐るべき秘術を研究していたのだ。

​ 変美の体内に残っていた微量の黄金の座薬の成分が、彼女の「悪を許さない」という強い感情に反応し、その力を呼び覚ました。

 ■ 再生:蘇る「究極の嗅覚」

​ 変美の体は、冷たくなった床でピクリと震えた。

 ゆっくりと目を開ける彼女の瞳は、以前よりもさらに深く、冷たい光を宿していた。

​「……新田。……慎。この匂い……私を殺した**『裏切りと絶望の臭い』……。私の中で、決して消えない『復讐の記憶』**となったわ」

​ 体から、**『死んで再び生まれた者の、清らかながらも恐ろしいまでの無の匂い』**が立ち上る。

 そして、その嗅覚は、以前の比ではないほど研ぎ澄まされていた。

​「……この部屋のガスは、**『新田の息子の唾液』**から精製されているわね。……慎、あなた……もう二度と、私から逃げられないわ」

​ 倒れた部下たちを救助するため、唐桶刑事が駆けつけた時、彼は信じられない光景を目にした。

​「……変美!? お前、なぜ……」

「唐桶さん。私は一度、死んだわ。そして、生まれ変わった。……これからは、この世界に蔓延る**『あらゆる悪の匂い』**を、骨の髄まで嗅ぎ分け、根絶やしにする。そして、その度に……私は、もっと強くなる」

​ 変美の体から、**『戦慄すべき生命力』**が溢れ出す。

 彼女は、自らの血で汚れた床に、ドラクエウォークのアプリで「ラスボス討伐」のチェックマークを入れた。

​ 変美は不死身の嗅覚探偵として、新たなステージへ!

​【不死身の復讐】 慎と新田の亡霊が潜伏する「新田の秘密要塞」へ、不死身となった変美が単身乗り込む。

​【世界の異臭】 CIAから緊急連絡。宇宙ステーションで「エイリアンの異臭」が検知された。変美は不死身の体で宇宙へ。

​ 彼女はどっちに行くかな!?

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