第53話 穴

 落書きの主である新田輝を追い詰めた変美だったが、事態は予想だにしない結末を迎えた。新田は兄の冷酷さとは対照的に、実は「純粋すぎる快楽主義者」であり、変美の圧倒的な「嗅覚」と「強さ」に、恐怖を通り越した**異常な心酔(執着)**を抱いてしまったのだ。

​「……負けたよ。君の鼻は、僕の魂の匂いまで暴いてしまった。ねえ、僕を仲間にしてよ。君の犬として、この街の『汚物』を一緒に掃除させてほしいんだ」

 ■ 奇妙な連帯:新生・変美グループ

​ こうして、豊富な資金力と情報網を持つ新田輝が、まさかの「変美グループ」に加わった。

 しかし、彼には一つ、致命的な性癖があった。

​「……変美さん、知ってる? 人間の感情が一番凝縮されているのは、実は**『アナル』**なんだ。恐怖も、絶頂も、すべてがそこに集約される……」

「……新田。その話、二度としたらあなたの鼻を削ぐわよ」

​ 変美は冷たくあしらっていたが、新田の「アナル至上主義」的な執着は、思わぬ形で彼女の身体を蝕んでいく。


 ​■ 変美、絶体絶命の「異変」

​ 連日の潜入捜査と、新田が持ち込む「特殊な趣味(ハードな拘束と尋問)」への耐性。そして何より、新田が良かれと思って差し出す**『超高タンパク・低食物繊維の特製筋肉サプリ』**の副作用が、変美の体に牙を剥いた。

​「……っ……!? この痛み、ただ事じゃないわ……」

 ある朝、事務所の椅子に座った瞬間、変美の顔が蒼白になった。

​ 彼女の鋭すぎる鼻が、自分自身の体から漂う**「微かな血の鉄分」と、「炎症を起こした粘膜の熱い匂い」**を敏感に察知してしまったのだ。

■ 診断:美しき探偵の「内なる敵」

​「……お嬢、顔色が悪いですよ。まさか、敵の毒を?」

 心配して駆け寄る武尊。だが、変美は震える声で彼を制した。

​「……来ないで。……匂うのよ。自分の中から、**『限界を超えた直腸の悲鳴』**が……」

 ​そう、変美は激しい**「」**を患っていた。

 新田が勧めたサプリによる極度の便秘と、彼との過激な「アナル論争」に付随した過度なストレスが、彼女のデリケートな聖域を破壊したのだ。

■ 新田の「狂気の献身」

​「大変だ! 変美さんのアナルが危機に瀕している!」

 事態を知った新田は、パニックになりながらも、最高級の**「ボラギノール」と、那須の別荘から取り寄せた「伝説の薬草入り座薬」**を山のように積み上げた。

​「変美さん、僕に塗らせて! 君のアナルの匂いを一番知っているのは僕だ!」

「……死ね。……今すぐ死んで。……武尊、この男をオリオン通りの街灯に吊るしなさい……」

​ 変美はドーナツ型クッションに身を預け、激痛と屈辱に耐えながら、自分の不運を呪った。

 ■ エピローグ:痛みと共に

​ 宇都宮の夜風が、事務所の窓から入り込む。

新田が仲間に加わったことで戦力は増したが、変美は歩くたびに走る鋭い激痛に、かつてない孤独を感じていた。

​「……マサ。お父さんの手帳に書いてあった『西武の地下に眠る水脈』……。あれって、もしかして**『究極のウォシュレット』**のことじゃないかしら……」

​ 変美の戦いは、今や街の巨悪だけでなく、自分自身の「内なる痛み」との戦いへと突入した。

 変美は夜、ベッドの中で秘密の地図を開いて悩んでいた。

 塩原温泉の「アヌス療養の湯」へ向かう?

​ それとも、新田が隠し持っていた「皇室御用達の黄金の座薬」を奪い取る?

​ どちらのルートで「平穏」を取り戻そうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る