第51話 今年、北斗の拳新作やるので楽しみ!
宇都宮の抗争が一時的な沈静化を見せる中、変美は西武地区にある老舗スポーツジム**「マッスル・オリオン」**の周辺にいた。
表向きは地域密着型の爽やかなジムだが、その実態は、強引な勧誘と解約不能なサプリメント契約で高齢者から資産を吸い上げる、新田一族の「資金洗浄場(ランドリー)」であるという。
■ 潜入:炎天下の「紙の罠」
変美は素性を隠し、派遣登録したスタッフとしてジムの前に立っていた。
手には大量のポケットティッシュ。中には「初月無料!」と銘打った、裏面に巧妙な契約条項が極小文字で書かれた広告が入っている。
「……暑いわね。アスファルトが焼ける匂いに、宇都宮名物の餃子の脂が焦げる匂いが混じって……鼻がバカになりそう」
変美がティッシュを配りながら、ジムから出てくる客を観察していると、一人の老人が泣きそうな顔で出てきた。その老人の服からは、**「安っぽい合成甘味料と、焦燥感による酸っぱい汗の匂い」**が漂っている。
「……マサ。あのおじいさん、無理やり高額な『プロテイン定期便』を組まされたわね。あの匂い……ただのプロテインじゃない。常習性を高めるための脱法成分が含まれているわ」
■ 接触:西武の「毒針」
変美がティッシュ配りのフリをしてジムの裏口を嗅ぎまわっていると、一人のスタッフが声をかけてきた。
西武地区の裏社会と繋がっているとされる、マネージャーの**「
「おい、新人。ティッシュ配りは表だと言っただろう。……お前、いい匂いがするな。仕事熱心な女は嫌いじゃないが、鼻が利きすぎるのは危険だぞ?」
鮫島が変美の肩を抱き寄せ、耳元で囁く。彼の体からは、**「高級な葉巻」と「死んだ魚のような生臭い湿布薬」**の匂いがした。
「……あなたの指先。さっきまで**『契約書を破棄しようとした客』**の首を絞めていたでしょう? わずかに血の鉄分と、怯えた人間のホルモンの匂いがこびりついているわ」
■ 逆襲:ティッシュに隠された真実
鮫島の顔色が変わり、その太い腕で変美を壁に押し付けた。
「……何を知っている。ただの派遣のティッシュ配りが、生意気な口を利くんじゃねえ!」
だが、変美は不敵に微笑む。
「……あなたが今、客に配らせているこのティッシュ。実は、ただのティッシュじゃないわよね。袋の内側に、**『契約を強制的に承諾させるための、意識を朦朧とさせる薬物』**が塗布されている。あなたがそのティッシュに触れないように手袋をしているのが、何よりの証拠よ」
変美は、手に持っていたティッシュの束を鮫島の顔面に叩きつけた。
「……今すぐこのジムの地下にある『裏帳簿』と『サプリの在庫』を警察に差し出しなさい。さもないと、宇都宮中の餃子店にあなたの悪行をバラして、この街で二度と食事ができないようにしてあげるわ!」
■ エピローグ:清算のシャワー
武尊がジムの地下を制圧し、鮫島一派は御用となった。
西武地区の闇の一角が取り除かれ、被害に遭った老人たちには契約解除の通知が送られた。
「……ふぅ。マサ、あのプロテインの匂い、二度と嗅ぎたくないわ。帰りに本物の『綺麗な水』を浴びたい」
変美は、ポケットに残っていた最後のティッシュをゴミ箱に捨て、宇都宮の夕暮れを歩き出す。
「武尊くん。父さんが残した手帳の記述に、『西武の地下に眠る水脈』という言葉があった。……もしかして、このジムの地下にあったのは金だけじゃなかったのかもね」
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