第46話 全てぶっ壊す!
燃え盛る戦国時代の京都。その混沌の中で、変美たちの前に信じられない光景が広がった。炎に包まれた本能寺のさらに奥、戦国武将たちの旗印に混じって、見たこともない「砂漠の迷彩服」を着た近代兵士たちが整列していたのだ。
「……匂うわ。この戦場に漂う**『乾いた砂漠の熱』と、『リビアの石油由来の火薬』**の匂い!」
■ リビアの影:兵器放棄の裏側
そこに現れたのは、現代で変美たちを蹴り飛ばしたあの男、岩成だった。しかし、今の彼はリビア軍の将校のような軍服を纏っている。
「驚いたか? 我々はかつてリビアの核・兵器開発に携わっていた技術者集団だ。国際社会が『開発放棄』を宣言した際、我々はその技術と設備をビッグ・ディアマンテ社へと売り渡した。……そして今、我々は歴史を改変し、この時代の日本を世界最大の兵器輸出拠点に変える!」
彼らは放棄したはずの化学兵器やミサイル技術を、タイムマシンで過去へ持ち込み、戦国武将たちに「神の雷」として売り捌こうとしていたのだ。
■ 観光開発への転換:変美の逆転プラン
「……笑わせないで。戦国時代を火の海にして、何が楽しいの?」
変美は、タイムマシンの出力ターミナルから漂う**『リビア産原油』**の不純物を嗅ぎ分けた。
「マサ! タイムマシンの制御プログラムを書き換えて。この場所の目的を『兵器拠点』から、**『時空を超えた歴史観光リゾート』**に上書きするわよ!」
「えっ!? 観光開発ですか!?」
「そうよ! リビアの技術者たちが本当に求めているのは、砂漠の中の戦いじゃない。平和な観光開発による外貨獲得のはず。……岩成、あんたのポケットに入っているのは、兵器の設計図じゃないわね。**『リビアの高級リゾートホテルのパンフレット』**の匂いがするわ!」
岩成がハッとして胸元を押さえる。
■ 決着:タイムラインの修正
武尊が岩成から奪い取った起爆スイッチを、変美が「特製レモネード」で腐食させる。
「亮さん、明さん! 観光客……じゃなくて、この時代の僧兵たちが巻き込まれないように、煙幕で遮蔽して!」
亮がスカイライン(タイムスリップに巻き込まれていた)のHIDサーチライトを全開にし、戦場を真っ白な光で包み込む。
その隙にマサが、ビッグ・ディアマンテのメインサーバーにアクセスし、「兵器開発プロジェクト」を「歴史文化観光庁」のデータベースにシングルサインオンで強制統合した。
「……これで、リビアの残党も兵器を作る理由がなくなるわ。彼らの給与口座は今、世界的な旅行代理店のシステムに直結されたんだから!」
■ エピローグ:歴史の交差点
タイムマシンの暴走が収まり、周囲の風景が再びビッグ・ディアマンテの排水ピットへと戻り始める。
「……あーあ。結局、旅行に行けなかった代わりに、戦国時代の京都を『見学』しちゃったわね」
変美が煤けた顔で笑う。
武尊は、足元に落ちていた**「父・軍司の古いリビア硬貨」**を拾い上げた。父は、この兵器放棄の裏側を追って、リビアから日本へ、そして過去へと飛んでいたのだ。
「……親父。あんた、世界規模で迷子になってるのかよ」
ビッグ・ディアマンテの公害問題は、観光資源化という意外な方向で解体され始めた。
だが、変美の鼻は、まだ遠くから漂ってくる**「2026年の新たな火種」**の匂いを捉えていた。
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