正しいまま、壊れていく

HAKU

第1話 日常

正しくいようとしていただけだった。それが、どこで間違いになったのかは、最後までわからなかった。

転職して一カ月が過ぎた。職場では不満が口にされることが多かった。質問をすると、誰かが答えた。分からないままにされることはなかった。

通勤時間は短くなった。家にいる時間が増えた。日々は滞りなく進んでいた。

私は、どちらにも属していないつもりでいた。

職場には、いつも緊張をまとっている人がいた。理由は知らない。視線の向きだけが、時々気になった。

ある日、その人はいなくなった。

私が来て一カ月で、彼女は辞めた。

最後の日、言葉は残されなかった。

何があったのかは分からない。ただ、何かがあったことだけは分かった。

仕事は個人で進めることが多かった。正しくやっていれば、問題は起きない。そう考えていた。

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