赤い風船

特撮生き物坂道オタク

全ての始まり


 冷「将来二人は何になりたい?」

下校の帰り道で冷志は唐突に切り出した。

 森「何よ突然、気持ち悪い」

 伊「俺たち小学生じゃなくて、高校生なんだけど」

冷志の問いに二人は冷たく返答する。

 冷「ほら、俺たちもうすぐ卒業じゃん。将来どうなっていたいか言った方がそうなっている可能性が上がるかもよ。俺は漁師になって水族館や熱帯魚屋に魚を売る仕事がしたい」

 森「冷志は生き物好きだもんね。私はお金を貯めて外国に行って語学勉強するつもり。ゆくゆくは通訳かな」

 伊「森もなにノリノリで答えてるんだよ。将来なんて誰にも分からないだろ」

 冷「どうなっていたいかが大事なんだよ。りんたろう」

 森「りんたろうは将来どんな仕事をするの?」

 伊「俺は…フランス料理のシェフかな」

 冷「えー!意外!」

 森「料理なんてしないと思ってた」

 伊「意外とはなんだ、失礼な。俺だって料理位するは。それより明日は英語部のクリスマスパーティーだからな。休むなよ」

 冷「英語苦手だから不安だ…」

 森「お菓子たくさん買ってこないとね」

 伊「それぞれでゲームをやることを忘れるなよ。特に冷志は頑張らないとな」

 冷「う…」

 森「?、何かあるの?」

 冷「いやいや、何でもないよ」

 森「変なの。あ!じゃあ私はここで、じゃあねー!」

 冷、伊「じゃあねー」

 冷「りんたろう、テメー余計なことを!」

 伊「さあ?なんのことだか」

冷志は次の日にある英語部のクリスマスパーティーで沙理奈に告白しようと思っていた。今から心臓が口から飛び出しそうになっていた。

 伊「それじゃ冷志、また明日。楽しみにしてるよ」

 冷「あ…あぁ、また明日」

りんたろうはこの事を知っている。緊張している冷志を見て楽しんでいるようだ。明日になってほしいような、ほしくないような冷志は複雑な気持ちだ。こんな青春を送れるのもあと少し。この時は冷志も、りんたろうも、沙理奈も大きな運命の荒波に飲まれることをまだ知らなかった。

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