唄の導 ~運命~
櫻絵あんず
第1話 百夜の刹那と白夜の追憶
永遠から解放された。そんな気がした1月1日14:25/......ほっとした。安堵した。やっと帰ってこれたんだ。
熱情が染めあげた桃色の布は、彼女をふわりと包みこみながら、おかえりと伝えてきた。
永遠かのように夢見ていた永遠をちぎる日がいつかきますようにと、私は
明るく爽やかな頭のなかで考えている。その理想の情景はゆめみていたものがあったから、そのどれとも違う今の爽やかさには戸惑うのであるが……
素直にその気持ちを表現してみたら、何かが変わるのだろうか。
エンジン音が止まった。ドアの開く音がした。毛布から顔を出してみた。目に見えた景色はなんとなく予想していたものとは相反して、ちらりと横を見るとそこには誰もいなかった。
どうやって車から出たかは覚えていないけれど、
一夜限りの契りというにはあまりに刺激的で非日常でいて、私はその終わりは当日中に来ることを強がりながらわかっていたつもりでいたから27年も逃してしまったのかな。運命を信じる心と運命に耐える身体を手に入れるための道のりとしては長すぎることもきっとないし、大きな過ちの再調整もあったから、この道のりは適正もしくは早いと言ってもいいのかもしれない。もしもあのとき、私もまた会いたいと思うという気持ちを素直に表現していたら、何かが変わっていたのだろうか。そんな思いをさまよわせた今日の午後は、私が10年間のあいだ夢見てもがいてつかみとった新世界のはじまりとしては妙に落ち着いたものでいるけれど、もしKAZUSHIが来たら胸の奥から愛しさが飛び出てしまいそうだから、今は小説を書きながらその愛しさを切り取ってかけらにしていくの。予想もしていなかった結末だ、と言われているようだから、怖さを飛び越えて信じてみようね。そうだね。信じてきっと結ばれよう。
絶対だよ。この苦手な言葉を辞書に加えてみようか。うん、永遠に絶対にって、やっと言えるのかな。そうだね。永遠を永永にしたいね。エタニティ。
神の光に照らされ続けた、シャンパンゴールドの光に包まれたあの夜は、当時あの場所にいた皆の胸に、いろいろな思いを残したまま、この世に存在しているものだから、確かにこの世で起きたゆめのできごとであり続ける。それは私の心をしっかりと癒し、私の半生の過ちを優しくゆるしてくれるものであった。
私はあの夜に勇気を出してくれた彼と、護ってくれたメンバースタッフ神職に感謝している。
唄の導 ~運命~ 櫻絵あんず @rosace
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