第2話 悩み

私の悩み。

それは……、家が貧乏なこと!!!!

うちの家は西園寺公団という。

名前こそかっこいいが築八十年のおんぼろ団地。

何でこんな美貌を持つ私があんな汚らしい場所で住まわないといけないのかしら……、そう思えば思うほど不満は出てくる。

私はもう、考えるのをやめて、中休みのマッサージに取り組んだ。

午後。

今日は部活・自主勉があって帰るのが8時になってしまった。

キイイィィときしむ扉をこじ開けて、「ただいまー」と言う。

「おかえりなさい、花鈴ちゃん」

「お姉ちゃん、遅かったね〜」

「うん!」

こんな美貌を持つ私でも、家では無邪気な子供だ。 お母さんも、花穏も……、自分の美貌など気にせずに無垢に頑張っていますものね……。

ここはっ、私も一皮脱ぎましょう!

「かの、かのののの、かのんのんのんの、花穏?」

「何そのお笑いみたいな話し方は」

花穏は、そう笑いながら、自分の頬の形をなぞる。

よく見ると、全体に小ニキビがあるのが分かる。

鼻筋は、脂っこく光っている。

お母さんも、おでこには小さなあざがあり、まあまあ目立つ感じがする。

私は、高校生なのに、そんな事もわからなくて、ただただ自分の美貌のために、お母さんが一生懸命稼いだお金で、メイク道具しか、買わなくて………。

お母さんがありったけのお金で買った家をボロっちいとか言って……、最低じゃん。

「で、お姉ちゃん、何?」

花穏は、半分諦めたような目でこちらを見てから、顔を覆う。

うん、決めた!

「花穏が言ってるバイトのところに私も行きたい」


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