今日の能力、何ですか先輩?
@TK83473206
プロローグ 公文書提出回 「説明資料」
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提出先
大学附属研究センター
能力応用・運用指針検討会
提出者
相沢しずく
(能力使用者)
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件名
日替わり能力の安定運用に関する補助構成について
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1. 概要
本資料は、日替わりで変動する能力を安定して運用するために用いている
**外部補助構成(以下「補助系」)**について、
その仕組みと安全性を説明するものである。
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2. 背景
日替わり能力は以下の問題を抱える。
再現性が低い
使用判断が属人的
精神状態による性能揺らぎが大きい
これらは、能力そのものではなく
判断主体の不安定性に起因する。
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3. 解決方針
判断主体を能力使用者から切り離し、
能力生成と使用の間に
固定化された中継層を設ける。
これにより、
能力出力の安定
使用者の精神的負担軽減
危険事象の減少
が同時に達成される。
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4. 補助系の構成
補助系は以下の役割を担う。
能力生成の受信
出力の均質化
不要な変動の遮断
補助系自体は
判断・選択を行わない。
そのため、
能力の偏りや暴発を引き起こさない。
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5. 補助系の安全性
自律行動なし
意思決定機構なし
外部との通信なし
補助系は
常時受動状態であり、
制御不能な要素を含まない。
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6. 倫理的配慮について
補助系は「装置」であり、
人格・意思・権利を持たない。
よって、
倫理審査対象外
人権配慮不要
使用制限不要
と判断する。
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7. 運用実績
能力失敗率:0%
有害事象:報告なし
使用者の心理負荷:軽微
従来方式と比較して
著しく優れている。
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8. 結論
日替わり能力の安定運用において、
補助系の導入は
最適解である。
今後も同様の構成を
継続使用する。
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付記
補助系は現在、
使用者が常時携行している。
運用上の問題は確認されていない。
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署名
相沢しずく
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提出ボタンを押したあと、
しずくは一度だけ画面を見返した。
どこにも、人の名前はない。
かつて、
毎日自慢していた先輩の痕跡は、
一行も残っていない。
それでいい。
彼女はそう判断した。
「説明、終わりました」
部屋に向かって、そう言う。
返事はない。
返事を想定した項目は、
資料のどこにも存在しない。
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