第7話:資料7【受信メール:精肉納入業者より】

送信日時: 202X年11月18日 09:12

差出人: (有)房総ミート・販売部

宛先: 百舌鳥の苑・栄養課 川井先生

件名: 【至急】追加発注の件と、配送担当の変更について


いつも大変お世話になっております。


房総ミートの佐藤です。


先ほどFAXにていただきました追加発注の件ですが、確認させてください。


発注書にある『商品コード:999(赤)』ですが、弊社のカタログには掲載のないコードです。

備考欄に「いつもの」「社長案件」と記載がありましたが、私の手元の端末では処理ができませんでした。


社長に確認しようとしましたが、本日は終日不在のため、取り急ぎご連絡差し上げました。


また、代替品として通常の「豚バラブロック」では不都合でしょうか?


川井先生のメモに「血抜きをしていないもの」「骨付き、皮付き必須」とありましたが、通常の食肉ルートでは、未処理の枝肉をそのまま施設様へ納品することは、食品衛生法上およびコンプライアンス的に難しい状況です。


それと、大変申し上げにくいのですが……。


これまで貴施設への配送を担当していた弊社のドライバー(若林)が、昨日付で退職いたしました。


本人からは「一身上の都合」と聞いておりますが、ここ数週間、「納品口の奥から視線を感じる」「肉を降ろしている最中に、保冷車の中に誰かが入ってくる気配がする」とひどく怯えておりました。


精神的にかなり参ってしまっているようで、現在は連絡がつきにくい状態です。


つきましては、明日より新しい配送担当がお伺いしますが、引き継ぎの際、「納品は玄関前までとし、決して厨房の中には入るな」と若林から強く言付かっております。 検品作業は玄関先でお願いできますでしょうか?


ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。


【メールへの返信下書き(未送信)】


佐藤様 お世話になります、川井です。


コード999の件、社長へ直接電話しましたので解決済みです。


通常のルートには乗せないでください。


「肥料用」の名目で伝票を切ってもらえば結構です。


ドライバーの件、承知しました。


若林さんには悪いことをしましたね。


彼、とても「質の良い」筋肉をされていたので、入居者様からの評判も良かったのですが。


新しい担当の方にも、よろしくお伝えください。


玄関先での検品で構いませんが、雨の日は中に入っていただかないと困りますよ。 ぜひ、中まで運んでください。

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