転生したらメガネだったぜやっほおおおおおおい!【修正再投稿】
おむらいす厳太郎
プロローグ
初恋は親戚のお姉さんだった。お姉さんはメガネをかけていた。
次に好きになったのは小学校の同級生だった。その子もメガネをかけていた。
高校生の時に告白した相手もメガネをかけていた。まあ、フラれてしまったのだけれども。
マンガやアニメ、ゲームの好きになるキャラもメガネをかけていた。
高校生の時に、俺は気づいた。
俺はメガネフェチなのだと。
それに気が付いた俺は何を見るときもメガネが気になるようになってしまった。普通のメガネ、おしゃれメガネ、老眼鏡にサングラス。
メガネ、メガネ、メガネ。俺はメガネをかけている人が好きなのか、ただメガネが好きなのか自分でもよくわからないが、とにかくメガネが好きだった。メガネ自体も好きだし、メガネをかけている人もメガネキャラも好きだった。
そして、俺はだんだんとこう思うようになった。
生まれ変わったら美少女のメガネになりたい。それが俺の密かな望みとなっていた。
そう、密かな望み。こんなこと誰かに言えるわけもなく、その望みはずっと胸にしまい込んでいた。
だが、片時も忘れることはなかった。メガネになれなくても、メガネの似合う彼女が欲しいと願ったこともあった。
まあ、彼女なんてできたことはないのだけれど。
そんな俺も成人して、社会人となり、社畜となり、ブラックではないけれど限りなくブラックに近いグレーな企業で働くようになった。
そんなある日、後輩がやらかした。しかもやらかした後輩は無断欠勤し、そのトラブルの処理がこっちに回ってきた。俺は怒りと苛立ちを、愚痴を吐きながらもなんとかトラブルを処理した。
そのトラブル処理による連日の残業に次ぐ残業で終電帰りの始発出勤が続いた。その問題が解決し、久しぶりに定時で帰ることができたある日のことだ。
体力も気力も限界に達しフラフラな状態だったが、何とか修羅場を終えた達成感と定時で帰ることができた喜びで、何とか体を動かして家路を歩いていた。おそらく過労でギリギリ倒れるか倒れないか寸前だったのだろう。
そんなとき、見てしまった。
「メガネ、似合ってるなぁ……」
塾へ向かう途中の女子高生らしき少女。彼女は結構な美少女で、そしてとてもメガネが似合っている知的な少女だった。
そう、とてもメガネが似合っていたことを覚えている。
「あ! 危ない!」
交差点、遠くに見えたのはふらふらと怪しい動きをするワゴン車。運転席は見えなかったが、運転手に何かあったのだろう。
そのワゴン車が交差点で参考書を眺めている女子高生に向かって突っ込んで来ようとしていた。
俺はとっさに体が動いていた。普段ならおそらく動いていなかったのだろう。
その女子高生が美少女だったから体が動いたのか、それともメガネをかけていたからなのかはわからない。
俺は突っ込んでくるワゴン車から女子高生を助けるため、彼女をかばってワゴン車に轢かれた。
「きゃあああああああああああああ!?」
悲鳴が聞こえた。地面に転がっているメガネを見つけた。
「よか、った。割れて、ない……」
メガネも女の子も無事なようだった。それを見た俺はほっとして、そのままスーッと意識が薄れていった。
そこで俺の『人』としての意識は途絶えた。
そして、気が付くと俺は。
「どうですか、お嬢様……?」
「……見える、見えます」
俺は美少女のメガネになっていた。
転生したらメガネだったぜやっほおおおおおおい!【修正再投稿】 おむらいす厳太郎 @nononem
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