残り物の姉妹ヒロイン達が全力で俺を囲おうとしてくる
3pu (旧名 睡眠が足りない人)
プロローグ
突然だが、俺こと
まぁ、最近ではありふれたことなので特別感はあんまりないだろうが。
とにかく、俺は前世の記憶を持ったままラブコメの世界に転生した。
何故ラブコメの世界に転生したか分かるのかと言うと、俺が住む家のお隣さんにメインヒロインである
いやぁ、初めてこのことを知った時は驚いたな。
まさか、親に抱っこをされながら家を出たら、丁度よく隣から美少女七人が出てきたんだぜ?
驚かない方が無理というものだ。
さて、そんなわけで超絶美少女姉妹のお隣さんなんて、男なら誰しも夢見る状況に置かれたわけだが、生憎と彼女達の関わりは殆どない。
まぁ、虹風姉妹は全員俺より年上だからな。
一番近くて一つ違い。
それに加えて、我が只野家と虹風家のお付き合いはよっ友レベルなので、仲が深まるはずもないのである。
彼女達からしたら隣に住んでいるガキンチョ程度の認識だろう。
出来れば、歳の近いヒロインと幼馴染みたいな関係になりたかったが、現実なんてこんなもんだ。
今ではすっかり諦めて、観賞用として毎日拝ませてもらっている。
そんなわけで、シナリオブレイクが起きることはなく、順調にヒロイン達は主人公達と仲を深めていっていた。
一年後。
俺が中学二年生に上がろうかという春休みのこと。
「ぐすっ、えっぐ」
日課である夜のランニングに勤しんでいたある時、公園で泣いている虹色のパレッタを付けた朱色ロングの美少女を見つけた。
「
虹風家の長女である彼女が泣いているのを見て、俺はもうラブコメが終わる時期が来たのかと気が付いた。
ハーレムラブコメの宿命だが、主人公の隣に立てるメインヒロインはたった一人だけ。
つまり、それ以外のヒロインは失恋することになる。
どうやらシナリオ改変が起こることもなく、原作通りに彼女は振られてしまったらしい。
遠巻きに見た彼女の姿はいつもの凛々しい姿と違って、その姿は哀れで酷くちっぽけに見えた。
可哀想だなと思う。
けれど、殆ど関わりがない俺に声を掛けられても迷惑だろう。
そう判断した俺は、そのまま通り過ぎようとしたのだが、微かに「こんなに辛いんなら、恋なんてするんじゃなかった」という声が聞こえてしまってついつい足を止めてしまった。
何と言うか、罪悪感を刺激されてしまったのだ。
俺は彼女がこうなることを知っていたのに、見て見ぬ振りをしていたからだろう。
(気分悪い。ジュースくらい奢るか)
他人の恋愛事情に責任感を覚える必要もないのに。
気が付けば、俺は来た道を戻り、自販機にお金を突っ込んでいた。
「お隣さん良かったらどうぞ」
「えっ?」
「確かccレモ○が好きでしたよね」
そして、ジュースを差し出すと朱音さんは潤んだ瞳を俺へ向けた。
顔見知りなだけのお隣さんが話しかけてきたからだろう。
彼女の瞳には困惑の色に染まっていた。
「えっと?」
「まぁ、これでも飲んでちょっと元気出してください。それでは」
あわよくばという考えが浮かばないわけではなかったが、ここでがっつくと下心ありきで話しかけたのだと思われそうで。
固まる朱音さんに無理矢理ジュースを押し付け、俺は公園を後にした。
(俺は本編にも関わりのないモブなんだ。これくらいで丁度いい)
これっきりでもうおしまい。
この時点で俺はそう思っていた。
しかし、世の中とは不思議なもので。
「…………ぐすっ、ずずっ、お兄ちゃん。何で私を選んでくれなかったの?」
次の日の部活帰りに、俺は虹風家の末っ子である
(えぇっ〜、何でこう言う場面にばかり遭遇すんだよ。マジで気まずいんだが)
俺は自分の悪運を嘆きながら、仕方なく財布を持って自販機に向かうのだった。
二ヶ月後。
「はぁ〜、平太君の匂い好き〜。凄く落ち着くわ〜」
「だよね〜。優しい畳の匂いがして睡眠導入剤にピッタシって感じ」
「……スピーー」
「あっ、青葉ねぇずるい。私も平太君の太ももで寝たかったのに!?」
「平太君好き好き好き好き好き。絶対離さないから」
「
(何でこうなったーーーー!!?)
何故か六人の美少女に囲まれることになってしまった俺は目を白黒させるのだった。
残り物の姉妹ヒロイン達が全力で俺を囲おうとしてくる 3pu (旧名 睡眠が足りない人) @mainstume
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