真実の章②
ゾーマも確かに王家の血筋を引いているが、正当な王座に就くべきソーシが生後すぐに怪死を遂げていた。
その際、報告書が提出されたらしいが現在はその文書は紛失している。
よってソーシの存在が世に出ることはなかった。
しかし、腑に落ちない点がある。
ソーシが死を遂げたことを国民に公表し、ゾーマが正式に王座に名乗りを挙げれば公認される話である。
なぜゾーマは自らを偽ってソーシという名前に固執するのか。
それはソーシの怪死に関係があるのか。
ゾノには自分がソーシだと他者に証明する
しかし、王宮の潜伏でゾーマの側近に情報を
ゾーマの一番の従者であり、先代の王から仕えているというソジーであった。
しかし、ソジーの頭上に浮かんでいた文字も『ソジー』ではなかった。
ソジーを名乗る偽者はゾノの掴んでいる情報をゾーマに報告すると、ゾーマはゾノを密かに地下の牢獄に幽閉した。
王宮の地下にある自然形成された洞窟は、どこまで続いているか不明であった。
しかし、ゾノは偶然にも地下の牢獄で、ある人物と出会った。
彼が自らを名乗る人物をゾノは知っており、彼こそ本物のソジーであると頭上の文字が証明した。
かつて王に仕えていたソジーは幽閉に至る
先代の王は病弱で子供ができず、このままだと弟のゾーマが王座を引き継ぐことがほぼ確定していたが王の死後、女王の妊娠が発覚した。
もちろん正当な王の血を引いているお腹の子供に王位継承が成されるわけだが、ゾーマはそれを断固として認めなかった。
王子であるソーシの年齢が10歳を迎えるまで王の権威をゾーマに一任するという妥協案も
ゾーマの追放が王宮で
ゾーマの指揮で捜索隊が組まれ幾度も遠征するも徒労に終わっていた。
その最後の捜索隊にソジーも参加したのだが、意識を失い、気がつくと真っ暗なこの洞窟にいたという。
ゾノは先代の王に仕えていたソジーは、遠征途中で隊から離れ行方不明扱いになっていることを伝えた。
ゾノは自分の本当の名前はソーシだと名乗ってみた。
信用を得るのは難しいと思われたが、ソジーはすんなり受け入れた。
ここで不可解なのは15年以上幽閉されていたソジーが生きていることだ。
ソジーは死を覚悟し、洞窟の奥へと足を運ぶと地下水が流れる水脈を見つけ、下流に向かうと地底湖があったという。
さらにその湖を潜ると、王宮の南方に位置する湿地帯に抜け出せるという。
ソジーはそのまま街に出て暮らす一方、女王の捜索を続けていたという。
そして、その目的は早期の時点で達成されていた。
しかし、女王と王子であるソーシには、常にゾーマの見張りがついていた。
ソジーは隙をついて、ソーシだけでも連れ出すことに成功したが、このままソジーがソーシを育てるわけにもいかず、王宮からも街からも離れた隣国の親類にゾノという偽名で育ててもらっていた。
それからゾノ(ソーシ)を15年余り見守ってきたソジーだが、ゾノが王宮に出向いてしまった。
そこでいくら待っても姿を見せないゾノは何か真実を掴み、以前ソジーが幽閉された地下牢にいるのではないかと見当をつけ、ゾノと無事に再開できたというわけだ。
無事に救出されたゾノは、ゾーマがソーシという名に固執する理由を掴んでいた。
王宮で血縁者のリストを改めている時、ある王族が浮かび上がった。
そこの現国王であるサーガが治める国は自国と敵対関係にあり、争いが絶えなかった。
始まりは、サーガが王座に就任し、ゾーマが自国から軍隊を派遣した。
サーガが統治する国は応戦し、両国の争いは長きに亘った。
ゾノはこの戦争を終結させる鍵を握っていたが、両国民にそれを証明する術を持っていなかった。
唯一、ソジーだけは信じて協力してくれたが、日の目を見る前に寿命が尽きてしまった。
残されたゾノは、王族などに興味はなく、この真実を一人でも多くの国民に知らせようと、最期まで石板に文字を
このままでは2つの国は、双方自滅の道を辿ることになる。
その偽りの真実とは、サーガという国王の頭上にはゾーマという名前があることだ。
偽りの真実 完
偽りの真実 シバカズ @shibakazu63
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