第6話 翌朝の何気ない日常
朝起きたら、
叔父はもう仕事に行っていると思っていた。
でも、家にいた。
特に理由も聞かなかった。
昼間は、
一日中眠っていた。
体が疲れていたのか、
心が疲れていたのか、
どっちでもよかった。
布団の中は静かで、
昨日の夜のことは、
夢みたいに遠かった。
——こういう朝が一番、
現実感がない。
夕方になって、
叔父が外に出て、
しばらくして帰ってきた。
夕飯は、
100ローの弁当だった。
「はい」
それだけ。
コンビニの明かりの下で
選ばれたであろう弁当を、
黙って食べた。
味は、覚えていない。
でも、
ちゃんとお腹は満たされた。
——生きるって、
こういうことなんだと思った。
特別じゃなくて、
ただ続いていくこと。
叔父に借りたガラケーで、
流行っている音楽を聴いた。
イヤホンから流れる音は、
私のことを何も聞いてこない。
昨日の夜のことも、
年齢のことも、
何も。
ただ、音だけがあった。
——この時間は、
少しだけ安全だった。
時計を見る。
そろそろ、
外に出る時間。
深夜徘徊に繰り出す準備をする。
特別な理由はない。
ただ、
家にいる理由もなかった。
音楽を止めて、
ガラケーをポケットに入れる。
——昨日の夜は、
もう過去。
今日の夜は、
これから。
私はまた、
夜へ向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます