樂逸烙座
外並由歌
年賀ss
丑の宴/2021
年初にて。
年の瀬から慌ただしかった宴会場はまだずっと、その賑わいをのこしている。年が開ければちょっとは落ち着くかもなんて思っていたけど甘かった。
ここは
「お……お正月、たいへんかも……」
「なに
「そうなんだと思う……」
ほらほら牛あがったぞ、喋ってないで!と板さんが華やかな色の皿を示した。永遠に角盆。質の良い、つまり重たい器をいくつも乗せて抱えることになるので少しも筋肉を休める暇がない。しなやかな腕に常々憧れている
「私はムキムキになる前に力尽きちゃいそう……」
「――落とすなよ? 作り直してる暇ねぇからな?」
板さんが聞きつけてとんでもない気迫を放って言うので、神妙な返事をするしかない。料理をだめにしたら三枚おろしにされそうな勢いだ。
「救世主ー! たぶん、そろそろ逸がやばい!」
「わかった」
逸の宴会でやばいのはいつでも酒なので、詳細も問わずに酒燗器のあるパントリーへ走っていく。速やかに身を翻す汀ちゃんは確かに救世主然としていた。
「……ということは、いま、世界の終わりなの?」「もう終わってるよ!」終わってた。でも本当は、始まりを祝ってみんなここに来るんだ。
だいじな年明け。この宴が、お客さんたちの一年を彩る最初の種となりますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。