悪人で無くともあなたを愛してる

唯一あなたを理解してくれる人がいなくなって

あなたは悪人では無くなった

ただ神経質な哀れな人がそこにいた


わたしはただそんなあなたを抱きしめた


悪人で無くても

特別じゃなくてもいいんだよと


物語の悪役は辛い境遇を抱えている

家庭では居場所が無く

あるいは辛い過去を持ち


だけどわたしたちは偶然に出会った

やがて互いを癒した


囁いた声は震えていた

あなたの背中は小さくて

思っていたより脆くて

長い間張り詰めていた糸が

ゆっくりとほどけていくように

あなたの肩から力が抜けていった


「悪人」という鎧を脱いだあなたは

ただの人間だった


傷つくことを恐れて

理解されないことに疲れ果てた

ひとりの人


わたしの腕の中で

あなたは静かに泣いた

特別である必要なんてない

強くある必要もない


ただここにいて

ただ生きていて

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