VRMMOのオフ会で会った女の子の懐き度が、カンストしてたんだが

フミオダ

第1話

 Congratulations!っというウィンドウ画面が表示されたまま、俺の動作は固まった。


 「今なんて?」


 「今度オフ会しないか?」


 今はローブ姿でよく見えないが、金髪ロングで筋骨隆々の髭面男が、低い声で急にそんなことを言ってきた。

 VRMMORPG、マジックソードオンライン。その名の通り魔法と剣を基調にしたゲームだ。

 俺、舞木もうぎ勇人ゆうとはユーという自分の名前をもじった適当なユーザーネームで活動している。

 三年前からよくパーティを組んでいる、髭面の男、ユーザーネーム筋肉達磨から、オフ会をしないかと急に言われる。

 正直固まった。


 「我ら三年ぐらい前からゲーム内ではよく話してるけど、リアルでは会ってないし、会ってみたいなと思って」


 「全然良いけど。筋肉達磨今何歳?」


 「十五だ。ユーは?」


 「同い年。その見た目で言われても実感湧かねぇけどな」


 「それもそうだな。実際に会って驚くなよ?」


 にやりとその男らしい顔を歪める。


 「リアルもそんな筋肉ムキムキなのか?」


 「会ってからの楽しみだな」


 「まぁいいか。それじゃ会おうぜ」


 こうして筋肉達磨とオフ会をすることになったのだが……。

 池袋駅前。

 駅中は人が多いから、少し離れたところで待ち合わせしてるんだが、いねぇなぁ。

 LINEは交換してるから、やり取りしてるんだが、目的地にそれらしい人がいない。

 筋肉ムキムキがいない。

 もしかして俺と同じで、遠くから観察してるのか?

 なら最初に行って待っておくか。

 もう着いてる?

 ラインにメッセージを入れる。既読はすぐに着いた。

 いるよ。

 いるって……近くにいるのは隣の金髪の女の子なんだが……。

 筋骨隆々の髭面男じゃなくて、俺よりも背が低くて華奢な、似てるといえば金髪ぐらいの。


 「え、もしかして筋肉達磨?」


 「やっぱりユー?キャラとめっちゃ似てる!」


 吸い込まれそうな大きな茶色の瞳に、桜色の小さな唇に笑みが浮かんでいる。

 似ても似つかないこの子が、筋肉達磨だ。


 「いや、誰だよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

VRMMOのオフ会で会った女の子の懐き度が、カンストしてたんだが フミオダ @fumioda

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ