百狐繚乱
たゆ
第1話 始まり
ニャーオ ウニャーオ ニャーオ
(まただ、またあの鳴き声だ…)
「頼む…もう、もうやめてくれ。」
ニャーオ ニャアーオ ニャアアーオ
「もう、許してくれぇぇぇ!…」
___
寿司屋 杉野屋
ガララララ
「へい、らっしゃい。
おお…
今日もいらしてくれたんですか?」
「やあ
ここのマグロの味が忘れられなくてねえ、
家内の夕飯を断って今日も来てしまった
よ。」
「はは、嬉しい限りです。
今日も握り寿司12種でいいですか?」
「ああ、それで頼むよ。
ところで寿君、顔色が悪いようだが寝れてる
のかい?」
「いえ、実はここ最近は忙しくて…」
「そうなのか、まあ開店したてだからね。
一ヶ月もすれば落ち着くさ。」
「そうなんですが、念願叶って店も開けました
し、しばらくは休みなしで頑張ります。」
「それは結構だがね、あまりにも疲れてるぞ。
隈があまりにも酷い。
ここで倒れでもしたら大変だぞ。」
「実は最近あまり寝れてなくて…」
「そうなのか?それは良くない。
おすすめのアロマでもあげようか?」
「いやー、実は…」
「何かあったのかい?」
「…熊田さんは幽霊って信じますか?」
「うん?」
___
後日 都内某所
「ああ熊田さん、せっかくのお休みに申し訳
ありません。」
「おお寿君、いやいいだよ。
今後常連になる店の大将が困っているとあれ
ば黙ってはいられないからなあ。」
「ありがとうございます。」
「しかし…まあ君が心霊現象に悩まされている
とはなあ。」
「自分でも信じられません…
あの熊田さん、今日伺う心霊のスペシャリス
トってどんな方なんですか?」
「ああ、古くからの私の知人達でね。
お祓い師と言えば分かりやすいかな?
実力は折り紙つきだし、必ず君に起こって
いることを解決してくれるさ!」
「だといいんですけど。」
「まあそろそろ行こうか。」
「はい。
それでその方々はどこにいるんですか?
見たところ近くにはライブハウスとボロボロ
の神社しかありませんけど?」
「ははは、自分で答えを言ってるじゃないか。
そうあの神社だよ。」
「ええ?あの崩れる5秒前みたいなやつですか?
本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。
さあ会いに行こうコガミ兄妹に。」
百狐繚乱 たゆ @11253
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