第3話 戦い



パァァァン!

ドゴォォォン!


乾いた破裂音と、重く地を揺らす衝撃音だけが、広大な野原に何度も木霊していた。

風に揺れていたはずの草原は、今や無残に踏み荒らされ、地面は無数のクレーターを刻んでいる。


「……そういやさ」


俺は拳を構えたまま、ふと思い出したように口を開いた。


「お前、名前は?」


この激しい打ち合いの中で、俺は相手の名を一度も聞いていなかった。

今さらかもしれないが、強者の名は知っておきたい。


「ハァ……ハァ……」


荒い息を吐きながら、男は一瞬だけこちらを睨む。


「俺の……名前か」


少し間を置いてから、吐き捨てるように言った。


「シリメテウス・ユウだ」


「……まぁまぁ長いな」


俺は苦笑しながら続ける。


「ユウって呼んでいいか?」


「……好きにしろ」


ぶっきらぼうな返事。

だが、その瞳の奥には、未だ闘志が燃えている。


「もうそろそろ……決着かな」


俺がそう告げると、ユウは不敵に笑った。


「ハァハァ……そうかよ!」


次の瞬間、ユウは地面を力強く蹴り上げた。

芝生が根こそぎ捲れ上がり、土と草が嵐のように舞う。


(またこれか)


この技は、さっきから何度も使われている。

そのせいで、周囲の地形は原型を留めていなかった。


「――雷衝!」


ユウの拳に雷が纏わりつく。

そして空気を殴りつけることで、電流を奔流のように伝わせる技。


「……見飽きたな」


威力はある。だが、空気を媒体にしているせいで、決定打にはなりにくい。

俺は正面から雷を受け流し、静かに構えを取った。


「少しやってみるか」


低く呟き、拳に力を集中させる。


「――鳴神」


雷だけではない。

闘気と雷を完全に融合させ、拳そのものを雷撃へと変える技。

雷衝の、十倍以上の威力を誇る切り札。

唯一の欠点は、使い手にも少しだけ反動が返ってくることだが――


「今は関係ない」


俺は一気に踏み込み、拳を叩き込んだ。

ドゴォォォン――!!

轟音と共に、ユウの身体が吹き飛び、地面を転がる。

雷光が収束し、静寂が戻る。


「……かっ……!」


ユウは咳き込みながら、なんとか上体を起こそうとするが、そのまま力尽きて倒れ込んだ。

俺は軽く息を吐き、拳を解く。


「今回は……俺の勝ちだな」


ユウは悔しそうに歯を食いしばりながらも、否定はしなかった。


「……チッ」


俺は倒れたユウを見下ろし、続ける。


「じゃあユウ。約束通り、この世界の説明をしてくれないか?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夢幻郷最強

名前 シリメテウス・ユウ

戦闘力 測定不能Lv6(本気)


冬休みが終わるー

嫌だー

ネタもない

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