第5話 魚料理
「レイ。人里がある場所に早速案内してくれ」
「じゃあ、ここから近いノロット王国に行きますか〜」
「分かった」
レイの案内のもと、ノロット王国と言う場所に向かうことにした。
「おお、本当に動いてます!しかも、馬車より速い!」
「だろ!」
と、しばらく走っていたが、だいぶ日が落ち、視界が悪くなってきたので、今日はここで車中泊することにした。
「マスタ〜お腹空きました〜」
「お前、あんだけ食っておいて、もう腹減ったのか!? どんな胃袋してんだよ」
「マスター、ツナ缶とか無いですか?」
と、とぼけたように聞いてきたので、俺はレイが食べた残骸を指差した。
「俺が持ってきた日本の食べ物は、お前に全部食われて、もう無い!」
「そ、そんな……美味しいご飯が食べられないなんて……」
レイは、すっかり落ち込んでいた。
「じゃ、じゃあ、今日の夜ご飯はどうするんですか!!」
「知らん。そこまで言うなら、そこにある川から魚でも取ってこい」
川魚を取ってこいと命令すると、「分かりました!」と元気よく返事をして、外に出て川の方へ向かっていった。
「俺も外に出るか」
レイもいることだし、魔物に襲われそうになっても助けてくれるだろうと思いキャンピングカーから出ることにした。
鹿を引いただけでも、バンパーは凹んだりする。それを、大きなクマを引いたんだ。
どれだけボロボロになっているのか、恐る恐る見てみると……
「……え、傷ひとつないじゃないか」
あれだけの衝撃で無傷なはずがない。
不思議に思いながらキャンピングカーの周りを確認したが、どこも異常はなかった。
「まあ、どこも壊れてないなら、それに越したことはないよな」
そう思い、レイのいる方へ向かった。川魚でも取れているかな、と思いながら近づくと、河原に脱ぎ捨てられた服と靴が置いてあった。
川の方に目をやると、澄んだ水の中で、レイが素潜りしながら魚を次々と捕まえ、岸に放り投げている。
気がつけば、足元には魚が山のように積み上がっていた。
「マスター!魚が大量に取れました〜!」
「レイ……こんなに食べられないだろ。食べる分だけ残して、あとはリリースしなさい」
「お言葉ですがマスター!私は食べられます!」
……なんというか、説得力のある言葉だった。
「まあいいや。それより、これで体を拭いて服を着てこい。目のやり場に困る」
「は〜い」
俺はタオルを渡した。
レイが少し離れた場所で着替えている間に俺は石を円状に並べ、その中心に薪をくべた。
マッチで火をつけようとするが、湿気のせいか、なかなか火がつかない。
「マスター、どうしたんですか?」
「ああ、火がつかなくてな。レイの魔法で火をつけられないか?」
「任せてください!プチ・ファイアーボール!」
そう言うと、レイの手から小さな火球が飛び出し、薪に当たると一気に燃え上がった。
「おお!」
「さあさあ、マスター! 魚焼きましょ!」
「……お前、魚の内臓取らずに食べる気か?」
「おかしいですか?」
「まあ、おかしくはないが、取った方が俺的には美味いぞ」
「だ、だったら、早く内臓取ってください!」
包丁とまな板、塩をキャンピングカーから取り出し、魚の内臓を取り、串に刺して塩を振る。
火の近くに十本並べ、位置を変えながら焼いていく。
数分後――ようやく完成した。
「よし、完成だぞ〜」
「待ってました!いただきま〜す……う、うまああああい!!」
一口食べただけで、ものすごく美味そうな顔をしている。
俺も食べてみると、これがなかなかうまい。
鮎の塩焼きを食べているような感じだ。
「マスター!おかわり!全部焼いてください!!」
「お、おう……」
結果、全八十六匹分の内臓を取り、串に刺して焼く羽目になり、
塩はなくなり、魚を大量に捌いたおかげで、腕はパンパンになった。
「ふぅ〜満腹です〜」
「それは、良かったな……」
俺たちはキャンピングカーに戻り、寝る準備を始めた。
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