第3話 潜在異能力 ―RED BOX―
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あれから二日。
斗黎は九篠警備保障株式会社の講習室にいた。
「矢車、一昨日霧島からシオン粒子について教えてもらった事は覚えてるか?」
どうやら兼高さんが講師みたいだ。
「はい、コントロールの仕方も大分、慣れてきました」
「練習するのは良いが、プライベートで無闇矢鱈と異能力は使用するなよ」
「はい……」
放課後で本来は仮眠を取ってる時間帯なので瞼が重い。
「使い方はもう大丈夫だから、今日はシオン粒子の性質について学んでもらう。」
異能力自体、中二病の産物みたいなものだ。
異世界で魔法を学ぶのも、きっとこんな感覚なんだろう。
「シオン粒子の保有量は生まれながらに決まっている。色も、異能力の内容も人それぞれだ」
斗黎は今までの兼高班のメンバーのシオン粒子を思い出していた。蓮華は黄色だし、櫻子は白色、霧島は水色だ。――俺は桃色……
人それぞれ違うのか。
「シオン粒子のコントロールで何故、異能力が使えるかといったら、異能力の基となる個別情報体が含まれているからだ」
「……個別情報体……?」
なんか、難しい言葉が出てきたぞ。
「そんなに難しく考えることは無い。要は異能力のデータがシオン粒子に登録されてて、お前が演算処理をすることで読み取りができる。記憶媒体みたいなもんだ」
成る程。てか、兼高さん俺の考えてる事分かるのか?
「シオン粒子は可視光線として視覚することができる。初めて会った時に蓮華が言ってただろ?」
そう言えば、言ってたな。
「しかし、視えるのは異能力者だけだ。覚醒していない人間には視えない。この可視化サングラスを掛けなければな」
兼高は自分のサングラスを取り出す。
「前にも言ったが、これはシオン粒子を可視化するためのサングラス。厚労省の研究成果が実用化された代物だ」
国の研究機関が絡んでるのか……
「矢車、お前達、覚醒した人間の他にもシオン粒子が使える奴らがいる。――それが何か分かるか?」
――
斗黎はニュースの映像を思い出す。
「
「そうだ、やっぱり、視えるお前なら気付いていたか」
「……はい」
「このサングラスはSTACKが
そうだったのか……
「だが、奴らはシオン粒子を使うことができるが、扱うことができない。知能が低いからな」
「あの……
「これは、あまり公にはされてないんだが、奴らの中には人間に擬態する種がいるらしい」
初めて知った。
――そんなことを日本中の人間が知ってしまったら、疑心暗鬼になるかもしれない。
「擬態されてもシオン粒子が可視化できれば
擬態できるのであれば、話は変わってくる。
「話は逸れたが、シオン粒子に物理的な作用は無いが、異能に干渉する作用がある。擬態できる
成る程。
「よし、矢車、立ってみろ」
言われるがままに、その場に立つ。
「一昨日やったみたいに目を閉じて、シオン粒子を体内循環させるんだ」
目を瞑り、言われるがままにやってみる。
「これは、動きながら、なるべく早くできるようになれ!?この前放出量から、お前はシオン粒子保有量はかなり多いとみている。」
「この後は、どうするんですか?」
斗黎からシオン粒子が漏れ出している。
「体内でより早く循環するイメージをしろ」
言われた通りにやってみる。体からかなりシオン粒子が漏れ出してる。
「コントロールが甘い!?漏れ出すシオン粒子を最小限に抑えろ」
「はい!?」
漏れ出すシオン粒子が穏やかになった。
「よし、そのまま目を開けろ!」
ゆっくりと瞼を持ち上げた瞬間――
霹靂の如く、電光石火のパンチが目の前に迫っていた。
――咄嗟に躱す斗黎。
「うわぁっ!?――兼高さん!?なっ何するんですか!?」
「シオン粒子が体内循環するスピードを上げることで一時的に反射神経、運動神経、動体視力が向上する。戦いの基本だから覚えておけ」
躱さなかったら、本気で怪我してたところだが、確かにパンチが遅れて見えたような……
「これを身につければ、常人以上、いや……怪物並みのスキルが手に入る。喧嘩でもそこら辺の穀潰しなんてあっさり倒せる」
シオン粒子を他に使えるのが
てかさっき、無闇矢鱈に異能力を使うなって言ってなかったか?いや、シオン粒子ならいいのか。
「事象変換の理屈はもう分かるだろ、明日は
「了解です」
――明日も講習かぁ
****
会社帰り、大通り沿いの粉もの屋で一人たこ焼きを頬張る斗黎。
「熱っ!?」
やっぱり、たこ焼きを食べると「美味っ」より、「熱っ」が先行して言葉として出てくる。
勉強にはなったけど、疲れたなぁ。しかし、学校の勉強とは違い嫌いではない。寧ろ楽しいくらいだ。
もう一つたこ焼きを頬張る斗黎。
「熱っ!?」
学習能力が、無い。
――訓練の日が待ち遠しい、斗黎だった。
RED BOX Amie @x1-x51
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