第3話 ハイドアウト

 3日後、今日も午後から一宮と加藤は人工ダイヤモンドを捜索しに行く予定が入っている。一宮が使用しているスマートフォンであるエクスペリアに、保安官事務所から自分のスカウトライフルが押収品保管庫に保管されている旨のメールが届いていた。加藤はフォードF-150のローンを滞納していた為、レポドライバーに車両を回収された模様だった。一宮はスカウトライフルをフォードF-150のガンロッカーに入れたままにしていた為、車両と共に回収されていた。車内の物品は一度保安官事務所に保管され、所有者に返還される。一宮は自宅から0.5マイル先の保安官事務所に徒歩で向かい、保安官事務所内の押収品保管庫の窓口でメールを見せる。


一宮「ライフルを受け取りに来たんですけども。」


男性保安官はエクスペリアの画面を覗く。


保安官「保管番号は1210ですね。確認します。」


一宮はエクスペリアをカーゴパンツの右前ポケットにしまう。


保安官は窓口内右側に直角に設置されたデスク上のパソコンを操作する。番号を入力すると、保管されている物品リストが表示される。ステアースカウト、弾薬10発、M&P15-22、弾薬10発、トライポッドが記載されていた。


保安官「ライフルが2丁有りますけれど、どちらですか?」


一宮「ステアースカウトです。」


保安官「では身分証の提示をお願いします。」


一宮「これで。」


一宮はカーゴパンツの左前ポケットからカードケースを取り出してハンティングライセンスを提示する。


保安官「お預かりします。」


保安官はハンティングライセンスをコピー機にセットしてスキャナーのスタートボタンを押す。パソコン上にデータが表示され、ステアースカウトの登録されたシリアルナンバーと照合する。所有者の確認が取れた為、保安官はハンティングライセンスの画像を受領書に貼り付けて印刷する。ハンティングライセンスを一宮に返還し、受付台に受領書とブルーインクのボールペンを置く。


保安官「まずライセンスをお返しします。ライフルを持って来ますので、こちらの下の枠内をご記入してお待ち下さい。」


一宮はハンティングライセンスをカードケースに戻し、カードケースをポケットに戻す。右手でボールペンを持って受領書に日付、住所、氏名、電話番号を記入する。保安官は窓口奥の保管庫に行き、棚からステアースカウトを取り出して窓口に戻る。


保安官「こちらでお間違いないですね?」


一宮「はい、これです。」


一宮は右手でスナップラッチを押し込み、2つの弾倉を外して弾薬を確認し、元に戻す。


一宮「ありがとうございました。」


保安官「お疲れ様でした。」


 一方その頃、加藤はレンタカーショップであるダニエルモーターにタクシーで向かっていた。店舗前に到着し、スマートフォンで運賃を支払って降車する。店舗出入り口右横の駐車場に大量の車両が停められている。此処の植栽だけ植物が枯れていた。店舗に入店し、黒のスーツを着用したカウンターの男性店員にピックアップトラックを借りたい旨を伝える。


加藤「ピックアップトラックを借りたいんですけど有りますか?」


店員「どんな仕様でしょうか?」


加藤「装甲付きで追跡装置の無いやつで願いします。」


店員「装甲付きで追跡装置無しですね。お調べします。」


店員はカウンターにあるパソコンを操作して待機中の該当車両が無いか調べる。


店員「左ハンドルのハイラックスなら1台お貸しで来ます。」


加藤「それでお願いします。」


店員「分かりました。では運転免許の提示をお願いします。」


加藤はショルダーバッグからカードケースを取り出して運転免許証を提示する。店員は運転免許証をコピー機に入れてモノクルコピーをしてから、加藤に返還する。ブルーインクのボールペンと契約書をカウンターに置いて説明を始めた。


店員「料金は12時間ごとに100ドル追加になります。5日過ぎても返却が無い場合は保安局が車両の捜索を開始します。破損時の修理費用はお客様のお支払いになります。ご利用料金のお支払いは返却時にクレジットカードか現金で行います。案内表示が有りますので、返却時は元の場所にお戻し下さい。では、署名欄にフルネームでご記入お願いします。」


店員「ありがとうございます。こちらが鍵になります。駐車場のD-2に車両がございます。行ってらっしゃいませ。」


加藤「ありがとうございました。」


加藤は鍵を右手に持って建物を出てハイラックスを探し、見つけると乗車して保安官事務所に向かった。


ハイラックスを保安官事務所の市民用駐車場に停車させて返還手続きに向かう。一宮と同じ手順でM&P15-22ライフルとトライポッドを受け取って建物から出てきた。ベンチに座って待っていた一宮と合流し、レンタルしたハイラックスの荷台にトライポッドを乗せる。


一宮「パスワードは?」


加藤「フォードと同じにしてもらった。」


一宮が右手の人差し指でガンロッカーの電子錠に4桁のパスワードを入力して扉を開ける。ライフル2丁を入れて閉めると自動で施錠される。2人はハイラックスに乗車し、加藤の運転で3日前に行く予定だった場所に向かった。


洞窟の様な場所に下に降りる階段が有り、暗そうなので、加藤はショルダーバッグから赤色ライトとPVS-14単眼ナイトビジョンを装着したヘッドストラップ取り出す。一宮はナイトビジョンを装着し、左眼の視界は白黒になる。加藤は暗順応を崩さない為の赤色ライトを左手に持って点灯させる。2人共ホルスターから右手で拳銃取り出して階段を降りて行くと外開きの扉が有った。一宮が左手で扉を開けてすぐに両手でG26拳銃を構えて突入し、扉の左右を確認、続いて加藤が室内に入り、キッチンを確認する。


加藤「キッチンクリア。」


一宮はキッチン横のトイレ付きユニットバスを確認する。


一宮「バスルームクリア。」


2人は部屋の奥に入って行く。食料、飲料水、衣服、銃火器、弾薬、壁横にヘッドを発見した。


加藤「オールクリア。」


一宮「倉庫みたいだな。これなら有るかもしれんぞ。」


室内に危険人物が居ない事を確認し、室内を捜索する。加藤は一度センチニアルリボルバーをホルスターに戻す。コートのポケットに手を入れたり、段ボールの中身を出したりする。加藤はヘッドの下を赤色ライトで照らすと黒くて小さい箱があった。右手で取り出して箱を開けてみると、9mm口径弾の弾頭とほぼ同じ直径のダイヤモンドを発見した。


加藤「あったあった。」


一宮もナイトビジョン越しにダイヤモンドを確認する。すぐにショルダーバッグにしまってセンチニアルリボルバーのホルスターから取り出して外に出る。

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