いまから数年前の話になるのですが、当時、私は受験生で自室で受験勉強をしていました。

私の部屋にある学習机は窓際にあり、その窓は廊下に面していました。

その日もいつものように机に向かっていたのですが。

ふと窓を見ると、日光の中に黒い人影がありました。

窓といってもすりガラスなのでぼやけたあいまいな輪郭しか見えなかったのですが、成人した男性のように見えました

それはこちらに手?を振っていました。

当時は一人暮らしだったので家族ということはあり得ません、そもそも用事があるならインターホンをおせばいいでしょう。

不審者かもしれない。

その時、目が合ったような気がしました

それと同時に

「おーい、おーい!」

まずい、見て見ぬふりをしなくてはならない

私がそれに気が付いているということを悟られてはいけない、そんな気がしました。

「おーーい、おーーい!!」

それは窓をたたき始めました。声も大きくなっていきます。

私は必死でした。聞こえないふりを続けていました。書いたことのないような冷たい汗が体中を伝っていたのを覚えています

それの声が大きくなるにつれ、体温が上がり、呼吸が荒くなり、気がつけば、気を失っていました。

目を覚ました時にはもう外も暗くなっていて、その人影はどこかに去ったのか消えていました。

何事もなかったのかのように静かでした。






内側からドアをかけてあったはずの、玄関のドア、家中のドアというドアが不自然に全開になっていたことを除いて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る