2025年12月31日の日記
バーニーマユミ
第1話
でたらめな指揮にあなたは笑った。あなたたちは笑った。まるで子どもが指揮者の真似事をしているのを、優しく見つめる大人のように。
私はあれも違う、これも違う、リズムがまるで合わないぞ、としごく真面目に指揮をとろうとした。
目が覚めると私は布団の中、目覚ましだけはいつも通りきちんと仕事していた。私は寝ぼけていたわけだった。
夢の中であなたは私の書いた物語を読んで、なるほど面白い、と言わんばかりにいいね、だかなんだかのボタンを押してくれた。
私はとても嬉しく、ああ、読んでもらえた!読んでもらえた!ラッキー!そうこの物語のモデルはあなたなの!と伝えたかった。
目が覚めると布団の中。全ては夢だった。
あなたの存在に気づいたのは今年の話で、あなたにはもうファンレターは送れない。もし届くのであればきっと読んでくれるに違いない。
私はあなたが演じたという美女と野獣が観たかった。あなたの歌う、オペラ座の怪人が生で聴きたかった。素晴らしかったことだろう。
アプリに動画のURLを貼り付けたらすぐ翻訳してくれるよ、という彼の言葉を遮るようにスペイン語をどうにか分かりたいとテキストを買ってしまった。
勉強してどうするのだろう。あなたに言葉は届けられないのに。どこから手をつければよいか。テキストは机に座ったまま。私はずっと運転席に座ったまま。
12月31日の朝に見た夢。初夢にはまだ早かった。あなたに会いたくてきっと見た夢。ちょっとだけナイーブになった、2025年12月31日。
2025年12月31日の日記 バーニーマユミ @barney
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