第7章 初めての告白(前編)

朝、教室の窓から差し込む光に照らされながら、紗良は静かに席に座った。昨日までの噂が頭の中でぐるぐると回り、心臓は落ち着かない。


「今日は……言わなきゃ」

小さくつぶやき、深く息を吸う。胸の奥で緊張が張り詰める。


告白の決意


昼休み、紗良は友達の一人を呼び出した。

「ちょっと、話したいことがあるんだ」

声は震え、手が小さく握りこぶしになっている。


友達は驚いた様子で頷く。

「うん、いいよ。どうしたの?」


紗良は一瞬視線を落とし、心の中で葛藤する。秘密を明かすことは、恐怖でもあり、希望でもあった。


一歩踏み出す


「実は……」

言葉を口に出す瞬間、心臓が早鐘のように打つ。頭の中では、もしも誰かに噂が広まったらどうしようという恐怖が渦巻く。


「私……家では、少し特別な活動をしているの」

微かに震える声で告げる。友達の顔がじっと紗良を見つめる。


「え……そうなんだ」

友達は驚きながらも、優しい笑顔を返してくれる。その瞬間、紗良の胸の中にわずかな安堵が広がる。


告白後の揺れ


それでも心の奥には焦燥が残る。

「大丈夫かな……ちゃんと秘密は守ってくれるかな」

小さくつぶやき、肩を震わせる。二つの世界を生きる少女にとって、信頼できる人に一部を明かすことは、喜びであり同時に危険でもあった。


帰り道、紗良は少しだけ軽くなった心を感じながらも、まだ胸の奥には不安がくすぶっている。告白は第一歩に過ぎない――未来への戦いは、まだ続いていた。

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