君が生きててよかった。
@wakakusa0208
第1話
2024年5月27日
「一緒に死んで。」
よく晴れた日だった。日差しで頭痛がするくらいの。
親友が、確かに私に言ったのだ、一緒に死んでほしいと。
納得ができないわけではなかった。親友_碧は家で虐待まがいの扱いを受けていて、よく愚痴をこぼしていた。
最近テストの結果があまりよくないのだと聞いていたので、なんとなく納得がいった。
「今回こそは殺されるかもしれない。でも私は殺されたくないから、自分で死ぬ。」
「、、うん」
「でも、やっぱり一人で死ぬのは怖いから。一緒に、死んで。」
今思えば正気の沙汰ではない。心中に誘っているようなものだ。
普通なら断るだろう。いや、断るべきなのだ。
「うん、いよ。」
だが私は当時いじめを受けていた。精神的に参っていたのだ。
私は彼女の手を取ってしまった。
「死ぬといっても、どうやって?」
机上の暴言を消しゴムで撫でながら問う。
「何も考えてない。でもなるべく早く死にたい。」
碧は少し間を空けて答えた。
言っていることはめちゃくちゃだが、表情は真剣だった。
「、、、首でも切ろうか。刃物を買って、放課後にでも。」
私は言った。失血を狙った計画だった。
「いいね、それ。意外と死ねるっていうし、そうしよう。」
その後その日はやけに気分がよかったのを鮮明に覚えている。夢を見ているような感覚だった。
不得意な数学のテストも、苦手な体育の授業も、やけに楽しかった。
碧と二人ならなんでもできる気がしていた。
放課後になり、部活の顧問に休む旨を伝えて碧と学校を出た。
刃物なら調理器具として、スーパーにも売っているではないか。
そんな考えで最寄りのスーパーへと足を運んだ。
小雨が降っていたため蒸し暑く、店内がとても涼しく感じた。
「あった?」
「ない」
が、刃物はなかった。
刃物を買うことができるならその日のうちに計画を実行できるので店員に不審に思われてもなんてことはないが、刃物がない以上不審に思われては困る。
学校に通報なんてされてみろ、計画の前に親や教師と揉める。
何も買わずに店を出ては不審がられるだろうと言うことで、中学生らしく菓子を選んで店を出た。
「なかったね、とりあえず今日は帰ろうか。」
碧は少し不満そうだった。
一分一秒でも早く死にたい様子で、でも家で死ぬのは嫌だということだった。
それを聞いて、私は安心して言った。
「じゃあ、また明日。」
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