第8章

「あ、アロエが起きたー!」

 あのいやーな声が聞こえた。僕が入ったかごが揺れる。

 ガタン! バキッ!

 体が勝手に動く。

「待って! アロエ!」

 ざまあみろ。あいつがかごを落として、ふたが開いたのだ。

 騒がしい足音が近づいてくる。体が持ち上がる。

 捕まってたまるか!

 爪を出してひっかく。力いっぱい噛みつく。

「痛い! わあああー!」

 外に出る。やった。

 しばらくして走ってから足を止めた。ここまでは追ってこないだろう。

 その時、おだやかな風が吹いた。この匂いは。

 方向を変えて全速力で走りだす。僕の頭の中にあったのは一つ。そうだ。ここだ。

 思いっきり跳んで草むらに着地した。

 そこは、ハート形の葉の草花がたくさん生えている草むらだった。ここだ、僕の思い出の場所!

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