作品集「With Me」

外並由歌

冬の十二首

まっさらに辿る誰かのはつゆきを留め歩いて重ねる愉楽


人が為こと幸くあれと呪ひてこと裂く痛み我を詛へる


冬鳥の空と水面の暇にて地を踏みしめるもみじ葉の赤


冬鳥に幾里歩けば還り着く傷つき痩せた秋の足でも


血の枝はひきひろげればそこにある 昨日の鶏にもこの下唇にも


かさならぬ音に気づいて石畳なき途こそが子らの遊び場


あと何を、私の何を差し出せば。あいつを正してやれたんだよ、クソ。


とじかけてためらうような鹿の声

問われているのは心残りか


理解とは「理性で分かる」ということで

こころは未だ無知のただなか


「うそつきとばれたくないの。」

 いとけない私が言った。怯えて、泣いて。


「これからは一人で生きていかなきゃね。」二歳のわたしと手を繋ぎながら


辿り着く日々の折々だけをみて

この灯火が照らす足元

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