第5話
それから1週間仕事を休みました。
何もやる気もなく、頭も体も動かず
1人布団の中で天井を見上げていました。
7日目の朝、会社から連絡がありました。
同僚が面会できるようになったと
病院へ向かうと個室の入院病棟に案内されました
ゆっくりと扉を空けると
両目をぐるぐるに包帯で巻いた同僚が
ベットの上で体を起こし
顔を窓の外に向けていました。
「おまえか入れよ」
ドアの前で立ち尽くす私に
同僚が気配で察したのか、来るのを知らされていたのか
声をかけました。
私はゆっくりとベットのそばの椅子に腰をかけました。
「この目もうだめかもしれん
原因は分からないんだって
でも何も見えないんだ」
「すまん、すまん、」
謝る僕に同僚がいう
「お前の忠告を聞かなかった俺が悪いんだ
そんなに気にするなよ」
「でももっと強く説得して上にあがっていれば」
私は同僚の手を握り
ひたすらに謝罪をしました。
「気にするなって言ってるだろ
まぁデートがおじゃんになったのは残念だけどな」
こんな時でもこいつはと思い久しぶりに笑みがこぼれた。
次の日から僕は仕事に復帰しました。
同僚の分まで頑張らなくてはと思ったから
同僚は退院後、視力は戻らず
会社を辞めました。
親方はこっちの責任があるからと
事務でも電話番でもと引き留めていましたが
気を遣わせるから申し訳ないと
退職しました。
退職後も同僚とは何度か会いました。
穴のように暗かった両目は今は濁った水のように灰色になり
視力は何年もかけだんだんと光が感じれ、ぼやけるぐらいには視力は回復したそうです。
今では僕がであった頃の親方と近い年齢になり親方と呼ばれます。
「親方なんか変な音がします」
今年入ってきた新人が震えながら私に声をかける
「あぁん」
僕はあの頃の親方と同じように配管をのぞき込む
奥からこだまする声に混じり
暗い闇の向こうで、2つの光が瞬く
おぎぁおぎぁおぎぁ
「上がりだな」
配管工 @YUKI1059
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