自分で選んで、一人で身に着ける!

「それで、今度のは、怜くんが自分で選びたい! って言ってくれたんで、それで、連れてきたんですよー」

 って言うと、店員さん、

「えー! ご主人が、ご自身で選ぶんですか? それは……楽しみですね♡」

 って、怜くんにやさしくほほみかけてくれた。


 怜くん、

「ボ、ボクが……選ぶって……」

 って、まだ現実逃避をしようとしていた。

 うーん、そろそろ、現実を見てー? ってウチは思ったんで、怜くんの腰に手を回して、

「怜くん、がんばろー♡ ウチが、すっごーく、楽しみにしてるんだよ?」

 って、耳元でささやいてあげた。


 さすがに怜くんも、この現実からは逃げらんないって、分からされたのか、

「……う、うん……」

 って、小さくうなずいてくれた。


 店員さんも「任せてください!」って感じで、さっそく、店内を案内してくれた。

 棚には、甘々系のピンクやラベンダー、セクシー系の黒や赤……レースたっぷりのやつから、リボンいっぱいのやつまで、たくさん並んでる。


 そんないろんなブラの中から、セクシー系の黒いのと、甘々系のペールピンクの二つを、勧めてくれた。

 ウチとしては、セクシー系の黒とかもいいなーって思ったけど、怜くんの二つ目のブラとしては、甘々系の方がいいかな? って思ったんだー。


 で、そんなことを思いながら、ウチがふと、怜くんの方を見ると……全然違う方向の、別の棚の方を見てた!


「ねえねえ怜くん、ほかに気に入ったものがあった?」

 ってウチが聞いたら、怜くん、こくんって小さくうなずいた。


「どれどれー? 教えてー?」

 ってウチがニコニコしながら近づいたら、怜くんが、震える手で指さしたのは…… ベージュ系の、めっちゃシンプルなブラだった。

 レースは控えめだし、リボンとかほとんどなくて、色もライトベージュで、かなり地味め。

 いわゆる「普段使いの、大人用の下着」って感じのやつ?。


 ウチ、思わず、

「うーん……それはちょっと、地味じゃない?」

 って言っちゃった。

 そしたら、怜くん、顔を赤くしながら、

「だ、だって……どうせ身に着けるんだったら、こういう目立たないのがいい……」

 って、小声で言ってきた。


 その瞬間、ウチ、ハッと、とんでもないことに気づいた!


 怜くんってば……「どうせ身に着けるんだったら」って言ったよね?

 つまり、また身に着けてくれるってこと前提で、どれにするか考えてくれてる!!


 そのことに気づいて、もうウチ、興奮で、頭の中が真っ白!

 まさか、怜くんが毎日、ブラ着けてくれる、ってことまで、考えてくれてたなんて……。


 怜くんがまたブラ着けてくれるってだけでうれしいのに、こんな地味めを選ぶってことは……ウチに見られないときも着けてくれそう!?

 それで、毎日、着けてくれるってこと!?


 本気で気絶しそうなくらいうれしくて、視界チカチカ♡

 怜くんが、そこまで考えてくれたことが、とってもとってもうれしくて、ウチ、大興奮!


 毎日ずっとブラつけてくれるなんて、ウチ、考えてなかったよ!?

 そっかー、だから毎晩、一人でブラ着けられるように、あんなにがんばって、練習してくれてたんだね?

 もー、最高すぎる!!


「毎日ずっと、身に着けてくれるの!? それなら、これにしよ?」

 ってウチが言うと、怜くん、

「え? 毎日ずっと身に着けるとまでは、言ってないけど……」

 って、あわてて訂正してきた。


 ウチ、ニヤニヤしながら、

「分かるよ、分かる♡ 毎日ずっとなんて、自分からははずかしくて言えないんだよね?」

 って、怜くんの気持ちを、代わりに言ってあげた♡

 怜くん、まだ何か言いたそうだったけど、ウチは、もう止まらない!


「これ! これにします! セットのショーツも、普段使い向きな、シンプルなのがいいです!」

 って、お願いして、シンプルで肌なじみのよさそうなちゃんとした布の、選んだブラと同じ色のライトベージュのショーツも、出してもらった。


 それで、会計を済ませて、店を出て、ウチは怜くんの腕に、ギューっとからみついて、

「ずっと身に着けてくれるんだよね? ねえ、さっそく、ブラを身に着けてから、帰ろうよ?」

 ってお願いしたら、怜くん、

「さっきも言ったけど、ずっと身に着けるとは、言ってないよ……」

 って、必死に否定してきた。


 ――マジで? ってなったウチ、

「え? ずっと身に着けるつもりでもないのに、こんな地味なのにしたの?」

 って返すと、怜くん、

「そ、そうなんだけど……ダメだった……?」

 って、不安そうに聞いてきた。


「ダメに決まってるよ! ほら、そこですぐ、身に着けてきて?」

 ってウチが、すぐ近くにあるトイレの方をゆびさして言ったら、怜くん、

「む、む、ムリだよ! 外では、ムリ……!」

 って、必死に断ろうとしてきた。


 ここでウチ、もう本気で泣き始めた!

 今回は、ウソ泣きとかじゃなくて、ガチで涙が出てきちゃって……

 怜くんが、毎日着けてくれるって思ったらうれしすぎて、でも、外では身に着けないって言われたら、とっても悲しくて……。

 複雑な気持ちで、もうウチのハート、ポロポロだよ……。


 それで怜くん、ウチが本気で泣き始めたの見て、完全にパニック!

「ご、ごめん! 美咲みさきちゃん、泣き止んで! ちゃんと……今、身に着けてくるから……!」

 って、あわてて紙袋を抱えて、トイレへダッシュでけ込んでいった……。


 そんな怜くんの姿を見て、ウチ、涙を拭きながら、ニヤニヤ。

 怜くん、今からブラ着けて、それで一緒に帰ってくれるんだ……!

 想像しただけで、もう興奮ヤバすぎ♡

 怜くん、待ってるね♡


 早く、はずかしがってるカワイイ姿、見せてね?

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