2話 初戦1
数日後
僕の防衛戦は初戦は2週間後と決まった。
相手は15歳の少年(1人)らしい。詳しい事は教えてもらえなかった。
屋敷は一番小さいタイプの屋敷となるようだ。この屋敷は玄関からふすまで仕切られた部屋が3部屋あり、階段と2階に2部屋、最上階に城主の間があるらしい。
早速、ロイドさんと一緒に内見に行くことにした。
確かに6畳の畳の部屋が1階に2部屋、2階に1部屋ある。
でも城主の間ってこれ屋根裏部屋でしょ。一応4畳半程度の広さはあるけど畳も敷いておらず板敷きのまま、下の部屋たちに比べたら明らかに貧相だ。
これなら2階の奥の部屋で待機していたほうが居心地よさそうだ。
僕が微妙な顔をしていたら、ロイドさんから
「この部屋は、罠を起動するためのコントロールセンターとなっており、他の部屋とは違い観客から見えないようになっています。
ここにある3台のモニターで各部屋の様子を複数の角度から見ることが出来ます。
試しに映してみましょう。」
モニターに各部屋の様子が映し出される。
各部屋3か所から4か所のカメラが付いているようで、どのカメラがどこに移されているのかはしっかりと確認しておく必要があるようだ。
カメラが一杯あって迷いそう。本番までにしっかりと練習しなければいけないだろう。
モニターを見ながら罠の手動起動もできるようになっているらしい。
今回は一部のみ手動起動にして基本的には自動で罠が起動するようにすると良いのではとのアドバイスも貰った。
確かに慣れないと操作は難しそうだから手動起動はいくつかだけにしよう。
ひとしきりモニターの操作を説明した後、ロイドさんが続きの説明を始めた。
「もちろん罠も仕掛けることはできませんし、戦うこともできません。
侵入者が2階へ上がってきたら城主の方は2階奥の部屋へ移動していただくことになっています。
また、侵入者が撃退された場合でも出来るだけ速やかに降りてきていただく様にお願いします。
ベテラン城主の方になると侵入者が撃破される少し前には降りてこられていることが多いですよ。」
と言われた。
かっこいい!!
でも慣れるまでは撃破が決定してから降りてくることが多いそうだ。事前に降りてきたのに撃破できなかったなんてなったら恥ずかしいから僕も撃破確定してから降りてくるようにしようっと。
・・・・・
まずは罠の選択と配置だ。
初めから使える罠としては、落とし穴と仕掛け矢、ボールなどがあるらしい。
落とし穴は、仕掛けたいところに設置すると乗るか、見破られるまで落とし穴が見えなくなるらしい。どんな仕組みなんだろ???
僕は淡々と罠や人員の配置を行った。
今回は既存の罠だけを使ったが、今後は僕オリジナルの罠を考えてみるのもいいかもしれない。
ただ、オリジナルの罠を考えるには費用が掛かるんだよなあ。
父が使ってた罠は今回の趣旨に合わないため使えないらしいし・・・
今回勝てば賞金がもらえるようなので勝てたら次までには罠を新調してみようかな。
僕は試行錯誤しながら配置を考え、防衛戦当日を迎えるのであった。
防衛戦当日
僕は屋敷の屋根裏部屋という城主の間にいた。
落ち着かなくてウロウロしていると初回ということで僕の案内役をしてくれているロイドが
「落ち着いてください。そろそろ始まりますよ。」
と言ってきたので、
「分かっているよ。始まってしまえば大丈夫・・・のはず?」
僕はウロウロしながら答えた。
だって落ち着かないんだもん。
じっとしていると足が震えてきそうで、僕の沽券に関わる。
ロイドは、苦笑しながら僕に言った。
「なんで疑問形なのですか。始まる前に2階の奥の間でお披露目です。行きますよ。」
ロイドが先頭に立って階段を下りて行ったので、僕も仕方なく付いていった。
奥の間に入ると外側の扉が全開となっており、上から見下ろすと多くの観客が屋敷を取り囲んでいるのが見える。
遠くには見学のための貴賓席が見え、父達が楽しそうにこちらを見ているのが見えた
なんだかおなかが痛くなってきた。このまま帰らせてくれないかな。
縋るような思いでロイドを見るとロイドが僕に
「ほら。大勢の人がジン君を応援に来てくれていますよ。手を振ってあげないさな。」
と言ってきたので、観客に向かって手を振ると歓声が一層大きくなった。
僕を応援してくれているのが分かり、嬉しいがこれだけの人に見られるととっても緊張する。
ほんとにお腹痛い・・・
さらに下を見ると僕よりちょっと大きい男の子が木の剣と木の盾を装備し、こちらを睨んでいるのが見える。
今日の侵入者かな。
男の子に向かって手を振って見ると、男の子が真っ赤になって言葉にならない言葉をわめきだした。
情緒不安定かな。
相手が喚き散らしているのを聞いてちょっと落ち着いてきた。
相手が僕より緊張していると落ち着くってあるあるだよね。
「ジン君。緊張しているかと思ったら相手を煽る余裕があるじゃないですか。さすがはケント殿の息子ですね。
初回の防衛戦でこれだけ余裕があるのなら問題なさそうです。」
ん?僕は挨拶しただけで煽ってないよ???
「あおっているつもりはないんだけどなぁ。」
「あれで煽ってない!本当に余裕ですね。最前席で楽しく見物させてもらいますよ。」
男の子はまだ何かを叫んでいるけれど、僕はもう一度男の子と観客、放送席に手を振ってにこやかに下がっていった。
あの子ももうちょっと落ち着いたほうが良いのだけどなぁ・・・
ちょっと余裕が出てきたかも。でも調子に乗るなと父上から言われているしどうすればいいのだろ。良く分からないや。
僕が城主の間に戻ると2階の外の扉が閉まる音がし、続いて太鼓が打ち鳴らされた。
そうして僕の初防衛戦が始まった。
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