第2話 ドラゴン襲撃
「……!!?」
優樹菜の表情が、一瞬で凍りついた。
「敵だ!!」
圭介が叫んだ瞬間、地面が揺れた。
森の奥から現れたのは、これまで相手にしてきたスライムとは比べものにならない存在
……巨大なドラゴンだった。
「ドラゴン……!? 今まで倒したスライムとは違う……!」
「くそっ……剣一本で太刀打ちできる相手じゃねぇ……!」
威圧するような咆哮。
次の瞬間、ドラゴンが大きく翼を振るい、優樹菜の方へと突進する。
「……っ、けいくんっ!」
衝撃で地面に転がった優樹菜は、慌てて身を起こした。その拍子に、彼女のスカートがめくれて下着が丸見えになった。
「あん、恥ずかしい…見ないでぇ…」
「そうなこと言っている場合か!!逃げろっ」
「……こんなの、記憶から消したい……」
その言葉に、圭介の脳裏で何かが繋がった。
「……!? 消す……? それだっ!」
圭介は迷わずカメラを構える。
狙うのは、眼前で唸りを上げるドラゴン。
シャッター音。
即座に表示された編集画面に、指を走らせる。
「ドラゴンを――縮小……縮小……縮小っっ!」
迷わず決定ボタンを押す。
次の瞬間、地響きが止んだ。
さっきまで山のようだったドラゴンは、みるみるうちに縮み……人間と同じくらいの大きさになっていた。
「……やった……!!」
「待って……!! 何か、言ってる……!」
ドラゴンは苦しそうに身をよじり、小さな声を漏らした。
「……た、すけて……」
「……!!」
優樹菜が気づく。
「見てっ……お腹……!」
そこには一本の矢が深く刺さっていた。
サイズが小さくなったことで、初めて分かる異変だった。
「……なるほどな。カメラで原因を消せば……」
圭介は再びカメラを構える。
「矢を……消去」
決定。
矢は光の粒となって消え去った。
「……!!」
ドラゴンは大きく息を吐き、やがて静かに立ち上がった。
「……ありがとう。封印の矢を抜いてくれたのね」
その姿は、もはやドラゴンではなかった。
サファイア色の瞳、ブロンドの長い髪、整った顔立ち……光を纏うような美少女が、そこに立っていた。
「自己紹介が遅れてごめんなさい。わたしはサファイア。七つのドラゴン属の一柱よ」
「……す、すげぇ……」
圭介は言葉を失った。
「助けてくれて嬉しいわ。もしよければ……
一緒に連れて行ってくれない?」
「……むっ」
優樹菜が一歩前に出る。
「こ、こんな美少女がいたら……けいくん、取られちゃう……!」
「あら? 可愛い彼女ね」
「か、彼女!? ……えへへ……」
「単純だなぁ……」
圭介は苦笑しながらも、三人の前に広がる冒険の予感を感じていた。
……こうして、旅は思わぬ方向へと転がり始めたのだった。
異世界転生した俺、撮ったものを加工できる最強カメラスキルで無双する @punipuni_0123
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