妖怪学級D組!!〜妖怪程度でも異能力至上主義をぶっ壊す〜
真原 結花
第1話
なんとなくそんな気はしていた。父さんのやることはいつだって僕に災難を巻き起こす。
朝のチャイムが鳴りやんでも教室から騒ぎ声が廊下に漏れている。横にいる担任はいつものことのように顔色ひとつ変えず力なく扉を開けた。開けても声がやむことはない。
視線が一瞬だけ僕に向いた気がしたけれど、すぐに興味を失ったかのように話に戻っていく。
いかにもな髪色の生徒やだらしない制服の着こなし。壁は派手で下品な落書きで埋められている。
「挨拶,したい?」
ぶっきらぼうに僕に聞く。
「したほうがいいんですか?」
「...意味はないかな」
僕のことを見ないままため息交じりにこたえる。何も言わないでいると、スッと教室の端を指さして言う。
「あそこ、君の席ね。寝てる人の隣。あそこ誰も座んないから」
それだけを言い残してスタスタと出て行ってしまった。担任の背中は振り向くこともなかった。僕は、教室のドアが閉まるのを見送ってからごちゃごちゃに崩れた机と椅子の間をかき分け指定された席のほうへ歩き出した。
「なにこいつ、転校生?」
制服には似合わない自分の金髪がいつもよりも輝いている気がする。
「名前くらい言えよな、生意気だな」
目の前で故意に倒される机や椅子をうまくよけながら歩いていき、担任に言われた一番後ろの窓際に着席する。
「...まぶし」
横で突っ伏していた黒髪の男が顔を上げる。僕は気にせずに窓の外を見つめる。
「....おまえ、だれだよ」
教室が男の声で静まり返る。ピンと張りつめた空気になっても無視して窓の外を見続ける。
「だれって聞いてんだけど」
髪の毛を鷲掴みにされ、後頭部に強い力がかかる。指が髪の毛に食い込んで引きちぎられそうだった。目の前には、無表情な男の顔。僕は、一度だけ息を吐いた。
「……すまないけれど、君に名乗るほどの名前は持ち合わせていない」
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