異世界召喚されたけど家でだらだらする

夏のぶどう

第1話 異世界召喚

俺は三時律みときりつ。どこにでもいる平凡な高校生だ。少なくとも、さっきまではそうだった⋯⋯。


「やった⋯⋯ついに⋯⋯勇者様の召喚に成功した!」


 俺は、気づいたら異世界に召喚されていた。


―――――――――――――――――――――――――――


 周りには魔法使いっぽい人が十数人。他にも、王様っぽい人が1人いる。

 これって、アレか?アニメとかでよく見る、異世界召喚ってやつか?さっき勇者様とか言ってたな⋯⋯。俺⋯⋯もしかして勇者になったのか?

 俺を召喚したと思われる魔法使いの他にも、制服姿の人が数人いる。多分、この人達も勇者として召喚されたんだろう。


「初めまして、勇者の皆様。私はクライム国の国王、アストと申します」


 さっきの王様っぽい人は、本当に国王だったみたいだ。

 国王は続けて言った。


「我がクライム国は、魔族の軍に侵略されているのです。これまでの侵略は、何とか凌いで《しのいで》きたのですが、前回の侵略でこの国唯一のSランク冒険者が重傷を負い、次の侵略には参加出来そうにないのです」


⋯⋯なるほど?

 まぁ要するに、魔族の軍に国が侵略されそうだから助けて、って事だろう。


「それで俺達が召喚されたってわけか?」


 勇者として召喚された人の1人が言った。


「左様でございます。勇者様には魔族の侵略を止めるため、そして魔族の王、魔王を倒す為に力を貸してほしいのです」


国王は続ける。


「まずは勇者様の力を鑑定するため、奥の部屋に行っていただきます」


俺達は国王の案内のもと、鑑定室に来た。


「最初に魔力量を鑑定させていただきます。この魔力石に手をかざしてください」


国王が一度お手本を見せた後、透明な石に手をかざして魔力量を測定していく。

⋯⋯6万

⋯⋯8万

⋯⋯6万5千

⋯⋯9万

⋯⋯ついに俺の番だ。

 石に手をかざす。

 測定結果は⋯⋯12万!!これまでで一番多いぞ!


「素晴らしい⋯⋯。魔力が多いSランク冒険者でも、10万がいいところなのですが⋯⋯。これならSランク冒険者がいなくとも、侵略を防げそうですね」


 しばらくして、魔力測定は終わった。俺の12万は最高値だった。なんだ。ちょっと心配してたけど、俺めっちゃ強いじゃん。


「次は固有スキルと魔法適正を鑑定させていただきます」


 魔力測定してたときは半信半疑だったけど、こうなるとスキルや適正の鑑定も俄然がぜん楽しみになってきたな。

 固有スキルと魔法適正の鑑定は、俺がトップバッターみたいだ。

 一体どんな結果が出るんだろう。

 俺は鑑定用の魔石に触れた。

 鑑定結果は―――

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