第3話 俺はみんな可愛くて、強くて、綺麗で、優しくて、かっこ良くて、儚げで、愛に溢れ――叡智でエロいと知っている

 帰宅し、ベッドに寝転がる。

 身体の負傷はみどりが治してくれた。


 叡智の判断は注意していかないとな。

 叡智な体験はしたいが、みんなには血を流して欲しくない。


 コンコン、とノックの音にドアを見る。

 わずかに開いた隙間から莉々亜りりあが顔を覗かせている。


「入っていい?」

「もちろん」


 起き上がって迎え入れる。

 よそよそしい雰囲気の莉々亜は、扉に張り付いて動かない。


燎雅りょうが。今日はその、ありがとう」

「可愛い妹を護るのはお兄ちゃんの役目だからな」

「バカ兄貴」


 莉々亜は俺の隣に勢いよく座った。

 反動で俺の身体も揺すられる。


「でも今度から……燎雅、お兄ちゃんって呼んでいい?」

「莉々亜が呼びたいように呼んでいいさ」

「うん。じゃあ、今だけはそれ以上も欲しいな」

「それってどういう意味――」


 莉々亜がブレザーを脱ぎ、ブラウスのボタンを外し始める。

 一つ、また一つとボタンが外れ、隙間からチラリと見える、汗ばんだ双丘。


「これ以上、女の子に言わせるの?」


 なのに、潤んだ赤い瞳から目を離せなくなった。


「俺で、いいのか?」

「燎雅、お兄ちゃんがいい」


 ――大好き、と俺と莉々亜の声が静かに重なった。


 ◆


「燎雅お兄ちゃん、だーい好きっ」


 ベッドの中で裸になった莉々亜がめっちゃ甘えてくる。

 今まで聞いたことのない甘い声だ。

 抱きついて顔をすりすりしてくるので、頭を撫でてあげる。


 まさか初体験からの電撃熱々プレイまでに発展するとは、叡智な魔法は奥深い。


 俺の【叡痴の心炎バーニングハート】は相手の叡智と固有魔法を高める効果があるらしく、叡智が爆発した。

 しかし、莉々亜はふわふわだ。


「一緒にお風呂に入って、一緒に寝ようね」

「分かったよ。一緒だな」

「約束だよ、燎雅お兄ちゃん」


 当然、部屋を出ても離れない莉々亜を見れば、優理ゆうりさんにはバレるわけで。


「二人ともおめでとう。燎雅君、莉々亜をよろしくね」

「はい。でも、気遣いはしないでください。俺は優理さんの力にもなりたいです。俺にできることなんて少ないけど、力仕事なら遠慮なく頼んでください」

「そう。ありがとう」


 優理さんが俺の頭を撫でてくれる。

 照れる。


「あ! ママ! ずるい!」

「はい。莉々亜もね」

「そーじゃなくてー」


 そう言いながらも優理さんに気持ちよく撫でられる莉々亜。


「二人とも可愛いんだから」


 俺達はまだまだ大人の余裕には勝てそうにない。


 ◆


 莉々亜は登校してからもべったりで……学校で透也とおやみおがべったりしているのと出くわした。


 俺達は仲良く、卒業したらしい。


「莉々亜さん、由緒正しき叡智学園をなんと心得るのですか」

「澪も近いじゃん」

「そんなことはありません」


 競うように抱きつく力を強め、おっぱいの重圧がのしかかる。


「そ、そんな! 莉々亜殿ずるいぞ!」

「私も不貞を働きたいです!」


 そうして流れるままに麗華れいかと翠とまで男女の関係に。

 莉々亜は対抗し、求める激しさを増した。


 それからはダンジョンに潜り、時にみんなで叡智を得て、さらに帰って延長戦。


 俺の【叡痴の心炎】の効果でみんなの固有魔法も飛躍的に伸び、順調にダンジョン攻略進め、久々に莉々亜とだけの日。


 家でして一緒に寝ていたが、トイレに行きたくなって目を覚ます。

 莉々亜を起こさないように部屋を出る。


「ァッ――」


 静かな夜に似つかわしくない音が聞こえてしまった。


 音は優理さんの部屋からだ。

 体調でも悪いのかな?


 心配になって優理さんの部屋を尋ねると、ドアがわずかに開いていた。

 その奥にはとんでもない叡智が広がっていた。


 す、凄い。

 あんなに乱れて、いつもの貞淑ていしゅくで穏やかな優理さんからは想像できない。


「ダメなのに。でも、こんなところ燎雅君に見られたら興奮――」


 俺で……? と優理さんと目があってしまった。


「燎雅君!?」

「すみません!」


 慌ててドアを開けて、頭を下げた。

 優理さんはブランケットで身を隠し、悲しそうな顔をする。


「謝らないで。謝るのは私の方よ。家族で息子である貴方を欲望のはけ口にして……こんなおばさん気持ち悪いわよね」

「そんなことはありません! 優理さんはとても優しくて、綺麗で、魅力的です!」


 思わず反論してしまった。


「……ねえ、燎雅君。前に言ってくれたわよね。力仕事なら遠慮なく、って」

「え? はい。言いましたけど」

「じゃあ、力仕事を手伝ってくれる? とても、体力がいる仕事なの」


 優理さんが綺麗な身体を晒してみせる。


「最後まではしないから、ね?」


 俺は魅了されたかのように引き寄せられていた。

 最初からはかられていたのかもしれない。

 だって、莉々亜は優理さんの娘なんだから。


「凄いわ、燎雅君! こんなに……!」


 力仕事は比喩ひゆではなかった。


 体力がもの凄く減り、奪われる。

 豊満な叡智が激しく、怒濤の勢いで求め、攻め立ててくる。


 俺もこんなところを莉々亜に見られたら、とドアを見て嫉妬に燃える赤い瞳と目があってしまった。


「燎雅お兄ちゃん、遂にママにまで手、出しちゃったんだ」

「り、莉々亜。こ、これは……」


 莉々亜が手早く俺のシャツを脱ぎ、背中に抱きついてきた。


「心配しないで、燎雅お兄ちゃん。あたしにゾッコンだって知ってるから」


 莉々亜の舌で耳を舐められ、ピリッとした電流が走る。


「だって、燎雅お兄ちゃんが気持ちいいところ全部知ってるし。あたしが一番最初に好きになったんだもん」


 だから、と妖艶な声で囁く。


「ママと最後までしてもいいよ。あたしが見てるところでなら」

「ごめんなさい、莉々亜。少しだけ燎雅君を借りるわね」


 それからは本当に凄かった。


 優理さんと莉々亜が代わる代わるに俺を抱きしめ、激しく求め続けられた。

 ふわふわで、ぬるぬるで、とろとろで、あまあまのエンドレスループ。


 日付をまたぎ、朝日が昇るまで、ずっと。

 今日が休日で、よかった。


 ◆


 俺達は時に協力し、時に別の場所で叡智に戦い、遂に最奥に辿り着いた。

 ラスボスはまさかの叡智ダンジョンの意思に乗っ取られた澪だった。


「魅せてやれ、透也! 澪との叡智な日々を! 愛する人をこの手に取り戻せ!」

「ああ! 魅せてみせるさ! 僕との澪の叡痴な日々の結晶を――【オールマイティエロティクカバースト!】」


 透也の熱い愛と叡痴が奇跡を生み、澪が分離する。

 裸はセルフモザイク処理で。


 だが、まだ邪悪な黒いもやは残り、次なるしろを探し回っている。

 だから、黒い靄に飛び込む。


「俺も魅せてやるぜ! 俺が貯めに貯めた、叡痴の結晶――【エロティックバーニングハアアアアアアアアァァァトッ!】」


 俺の叡痴が超新星の如き爆発を生んだ。


 黒い靄が弾け飛び、裸の褐色堕天使少女が実体化した。

 馬乗りにされ、Bカップおっぱいに顔をふさがれる。


「燎雅、叡智の契りを今ここに、求める」

「ちょ! お前――」


 俺の装備を引き剥がそうとするのを抑える。


「さすがにあんたはダメに決まってるじゃん!」

「燎雅殿! 今助けるぞ!」

「燎雅様! 私も不貞に混ぜてください!」


 三人が俺を助けに――仲良く脱がしにきてる!?


「透也くん。私達もあちらでしましょう」

「え、今!?」


 透也と澪も物陰に去って行ってしまった。


 俺と透也はラスボス撃破の興奮に、生存本能を刺激され、さかりに盛った女性陣に絞りつくされた。


 正に今、叡智の探求の果てにエッチに至った。

 ようやく、意味が分かったよ、親友。 


 ◆


 かくして月日は流れ、


「透也、澪! 結婚おめでとう!」


 二人の結婚式をみんなで祝う。


 澪がブーケトスを行い、ブーケが青空に舞い上がる。

 きっとこの瞬間、本来ならいい感じのエンディング曲と共に、エンドロールが始まる。


 数々の叡智なシーンが流れ――いや、これは透也と澪だけの叡智な思い出だ。

 俺はただ二人のグランドエンドを見届け――なんか、ブーケこっちにきてない?


 まてまて。

 俺がとるのは空気が読めなさすぎるだろ。

 後ろに下がって……って、ついきてない?


 透也と澪が俺を見て笑っている。

 よく見てみるとブーケは水を帯びて操られていた。

 俺の頭にブーケが届き、


「燎雅お兄ちゃん」

「燎雅君」

「燎雅殿」

「燎雅様」

「燎雅」


 莉々亜、優理さん、麗華、翠、そしてヌルヴェールが声を揃えて俺を包み込む、おっぱい。


「次の結婚は誰か分かってるよね?」

「はい」


 この世界ならハーレム結婚もどうにかなるはずだ。


 俺はこのエロゲーが叡智でエロいことしか知らなかったけど。

 今はみんな可愛くて、強くて、綺麗で、優しくて、かっこ良くて、儚げで、愛に溢れ――叡智でエロいと知っているのだから。

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俺はこのエロゲーが叡智でエロいことしか知らない 春海たま @harumigyokuro

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