SKILL-MAKER―チートスキルを選んだはずなのに、それは詐欺だって!―
なぎゃなぎ
第一話 嫁を迎える紳士―業田将司
俺の名は業田将司――
齢18にして彼女がいない歴18年の鍛え抜かれた戦士だ。
価値観の乏しい連中は俺の事を勝手に不憫だと思うだろう……。
しかし、残念ながら俺は今、幸せの絶頂にいる。
何故なら――
俺は本日、藤崎美幸と結ばれる運命なのだから!!
* * *
朝起きて、俺はいつもより少し綺麗めな服を着て、嫁を迎えにゲームストアへ足を運ぶ。
18禁コーナーへ、堂々と入って行って、本日発売の"世界で一番お兄ちゃんが好き❤"を手に取り、
そのまま、大人のおもちゃ売り場へ赴き、"PC連動ホットヒーター付きオ〇ホール(藤崎美幸)"と、
"ロー〇ョン(敏感肌用)"を手に取った。
レジに向かうと――
可愛らしい女性がレジに立っている。
ふっ……
この店の店長は面食いで可愛い女の子ばかり採用する変態店長だ――
普通の初級兵士はこれだけでビビってしまい、購入を躊躇うだろう……
しかし俺は鍛え抜かれた孤高の戦士、業田将司(18)。
俺にとって、見知らぬ美女に18禁を売ってもらうなど、寧ろご褒美だ!!
俺は意気揚々とレジに向かい、堂々と18禁商品をレジに置き、照れる彼女の顔をジッと見る。
ピッ
「"世界で一番お兄ちゃんが好き❤"が1点で9980円」
ピッ
「"PC連動ホットヒーター付きオ〇ホール(藤崎美幸)"が1点で12300円」
ピッ
「"ロー〇ョン(敏感肌用)"が1点で1500円…」
な、なんだと!?
照れるどころか読み上げ会計だと!?
この女……ただものじゃない!!
会計を済ませ、彼女が商品を袋に入れ、手渡してくれる。
それを見た俺はまた衝撃が走る――
普通のレジ袋だと!?
それだと、買ったモノが透けて見えてしまうでは無いか!!
普通ならばここは気を使って紙袋に入れるべきなのだ……
この女……
いや、この店はどこまで俺を屈強な戦士に育て上げるつもりなんだ……
「か、紙袋――」
「うん?」
紙袋に入れてくれと言おうとする俺を彼女の屈託の無い眼差しが襲い掛かる――
そうだ、業田将司……
これは変態店長が俺に与えた試練なのだ……
嫁をこれから迎えようと言う俺が、こんな小娘相手に怯んでどうする!!
(多分将司より年上だけど)
――いいだろう、受けて立つ。
これが“嫁を迎える男”の初試練だ。
俺はレジ袋のまま、18禁アイテムを受け取り店を出た。
* * *
店を出て電車に乗る俺……
周りの視線が異様に気になるが、ここは東京。
俺の事など誰も気にはしていない。
俺は嫁の入ったレジ袋を膝の上に置き、堂々と座っていた。
しかし、本当の試練はこれからだ。
我が家の周辺――
ここは、知り合いとのエンカウント率が跳ね上がる。
こんな危険物(嫁)を持っている状態で、遭遇してしまえば俺は即死確定だ。
俺は周囲を警戒しながら、道を進む。
「あ! 将司おにいちゃんだ!!」
声のした方を振り向くとそこには近所の子どもが三輪車で遊んでいた。
――まずい!!
今、俺はS級危険物(嫁)を持っている!!
俺はS級危険物(嫁)を隠すように逃げ出すが――
キキィ~~~!!
車のブレーキ音と共に大型のトラックが近づいて来た――
俺は咄嗟に避けた。
ドンッ!
――つもりだった。
だが、やはり引かれてしまった!!
俺の手から離れ、宙を舞う嫁の姿を見つめながら、俺は闇に包まれていった――
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