神の住む天界。
それは人間が住む世界と酷似した地獄だった。
いや、逆でこの地の『 写し世 』が人間界なのかも知れません。
半分人間の人を信じることすらできない境遇で育った青年が、盗賊まがいの転売屋をして、その日の糧を得て命をつないでいるところから始まります。
やがて、その底辺でしのぎを削り生きている少し年上の女性と出会うところで、大きく運命が変わっていきます。
運命だけでなく、彼の性格や対人への思いや接し方も変わり、この世界のルールに揺り動かされながらも、自身に降りかかる運命に立ち向かって行く。
圧倒的な表現力と、人物たちの仕草や心情描写は凄まじいものがあり、
物語の構成力は、そのままアニメにできるんじゃないの?くらい、よく練り上げられております。
ぜひ皆さんにも見て欲しい作品です。
転売屋を生業にしていた、クロウ。
だが、彼は一生に一度しか使えない転売を行う事で、転売屋としての未来を失う。
大金を得るが、とても一生暮らしている額のお金ではない。
食べていく為には、今後も職が必要だ。
しかし転売屋としてのコネやスキルしかないクロウには、その職が中々見つからない。
そんな時、艶香という女性が、奇妙な依頼をしてくる。
最高神の息子を名乗り、その噂を広めろと言うのだ。
最高神の名を騙る事を求められたクロウは、自身の身の安全とお金の為に、その依頼を受けた。
そして動き始めたのは〝純神派〟を名乗る、テロリスト。
己の主張を通す為なら、拉致監禁さえも厭わない彼等の最終目標とは?
その時、最高神は?
クロウは何を思い、どう動く?
今、独創性に満ち溢れたこの世界観が――読者の心を掴む。
(20話読了時点です)
外伝と侮っていた。
――この作品は、本編とは別の“地獄”を描いてくる。
色彩豊かで、荘厳ながら笑い声に包まれる、本編と一転して、
本作はダークな開幕から読者を引きずり込む。
主人公・半人半神のクロウの視点から描かれるのは、
黄昏都に住まう神々との、埋めようのない断絶。
常降西・灰溜地区。
闇市と娼館がひしめく、人の底。
常降北部・翠嶺。
街を見下ろす高台の特権階級。
そして祈壇区。
地名だけで、階層と分断が伝わってくる。
本来、神気はどこにでも満ちているはずのこの世界に、
それでもなお存在する――絶祈圏。
祈りの届かぬ場所。
そこで現れるのが、”純神派”。
神を信じるのではなく、裁くための神を欲する者たち。
思想はやがて、形を持ち、暴力になる。
――そして迎える、第19話。
神・炎武と、半神の少女。
純神派の仕掛けた残酷な舞台の中で、光がすべてを塗り潰す。
……そこに残るのは、救いではない。
神と人。
その温度差を、容赦なく突きつけられる。
だが、この物語はただ重いだけではない。
静謐さと儚さが、ずるいくらいに同居している。
だからこそ、目が離せない。
こんな世界に夜姫ちゃんが――想像するだけで、恐ろしい。
今思えば、本編のプロローグの”あれ”は……。
助けてください、天照様。
笑わせてくれ、須佐男。
祈りの届かない場所が、ここにある。
その先で、私たちは何を目にするのか。
本編と並んで、素晴らしい一作です。
どちらからでも、読んでみて。
冒頭の神殿街から独特の世界観に引き込まれる物語を読みながら、すぐに壮大なスケールを感じ取りました。
あいにく本編を拝読せずに入ったため、すでに損をしているのかもしれませんが、それでも物語の深み、厚み、そして読みやすさと、秀逸な読み物としての条件を完璧に備え持つ作品。
完成度が高いのはもちろんのこと、ほど良い緊張感が漂う演出や、物語のつなぎ方など、卓越した技術を全面から感じ取れます。
半人半神という立場だからこそ振る舞える動きや判断、そしてなかなか解消しない葛藤や胸のうちなど、さまざまな角度から光を当てて読むことができる多彩さがあります。
まるで全身の筋肉をまんべんなく使っているかのような幅広い視野による展開の配置。
読みながら思索に耽りたくなる思慮深さもあり、先行きが気にならずにはいられない神話譚です。
神々や人との交流を通じ天照との愛を深め成長していく本編「夜姫 常世神話譚」。
本作はその外伝であり半神半人の主人公クロウの視点で、
舞台である「常世」の世界と関わる人々が掘り下げられています。
夜姫は甘く切ない恋愛が秀逸で、彼女の魅力に取り込まれる作品であることに対し、
本作は同じ世界と人物を共有した執着や欲望の渦巻くダークファンタジー。
その見事な乖離は単独で楽しめる別作として昇華されています。
常降に住む人々の息遣いが感じられるような、
読み応えのある生き汚さを、畳み掛ける文章で描かれるスタイルは圧巻です。
夜姫を読んだ方が多少楽しめますが、読んでいなくとも問題ありません。
逆にこちらを読みつつ合わせることで、心が浄化されるかも?
独自の世界を書き上げる手法に、尊敬いたします。
他の方の感想にもある通り、本編を知っていると興奮が何倍にもなるのは間違いないですが、一つの骨太なダークファンタジーとしてめちゃくちゃ完成度が高いです。
神になりきれず、かといって人にもなりきれない。そんな半端な存在の主人公が、神域で文字通りゲーゲー吐きながら、泥水をすすって必死に生き足掻く姿にどうしようもなく惹き込まれました。
金と生き残るために手を出してしまった最悪な選択と「嘘」が、清浄な神々の世界と、底辺の人間たちの世界の均衡をじわじわと歪めていく展開がスリリングすぎます。
本編が眩しい「光」だとすれば、こちらは決して目を背けられない濃密な「影」ですね。圧倒的な臨場感と、読んでいるこっちの胃まで痛くなるような緊迫感(思わずほっぺたを掻きむしりそうになります笑)がたまりません。
過酷な世界で彼がどう存在意義を見つけていくのか。どうか少しでも救いがあることを祈りつつ、これからもハラハラしながら続きを追わせていただきます!
ここをご覧になってる貴方ならもちろん読んでますよね。
「夜姫 常世神話譚」
健気で美しい夜姫ちゃんの……え?
読んでないの?嘘でしょ?
すみませんねぇ、私は「夜姫 常世神話譚」を先に読んでからこちらを読みに来ています。
正直そちらを読んでからの方が2倍、いや5倍はこちらの話を楽しめると思います。
より興奮できること請け合い。
こちらの話は「夜姫 常世神話譚」と同じ世界線で書かれた物語となります。
……だから、あまり大きな声で言えないんですけど、
「夜姫 常世神話譚」で登場する!!!
あんなキャラやこんなキャラが!!!!
出てくる!!!!!んです!!!!激アツ!!
私、レビュー書いてます。
よろしければ、そちらも読んでいただければ……。
さて、こちらの主人公はね。転売ヤーです。
ゲーゲー吐きながら神々の街で購入したものを、
人の住む街で売ってるの。
とっても治安悪い空気感。
常世の清浄な空気を吸わせてください!
泥水すすってギリギリ日々の生活を生き延びている。
そんな中で主人公は金の為、最悪な選択をしてしまうのです。
そんな感じで話は進みます。
この作品の魅力は、何と言っても手に汗握る緊迫感。
「夜姫 常世神話譚」のときにあった強い臨場感。
それにプラスして生死を掛けた展開が続き、
絶望、苦悩、苦痛、そこに救いはあるのか。
「もうそれ以上はやめてくれ」
「そこで、それはキツい……」
「ああ、もうおしまいだ……」
私は心の不安を分散させるため、
ほっぺ半分毟り掻きながら話を読んでいたので、
翌日肌が大荒れになってました。まいった、まいった。
元々臨場感の書き方がすさまじく高いのに、そこに緊迫感がプラスされたので、それはもう映画館のIMAXとかで心理パニック系の映画観てる感覚なのですよ。
「夜姫 常世神話譚」は清浄な光。
「黒羽外伝」は歪んだ影。
でも、光があるから影が出来るんだよね。
全てが光な世界なわけがない。
あるべき影。目を背けてはいけない影。
是非両作品を読んで、その圧倒的高低差に耳をキーンとさせるといい!!
貴方もほっぺ毟って私と一緒に肌荒れしようぜ!!